美濃の当主が、斎藤高政(伊藤英明)に代がわり
しかし、国内は治まらず――
側室・深芳野(南果歩)の死をきっかけに、斎藤道三(本木雅弘)は嫡男・高政に家督を譲った。だが、道三の正妻の子・孫四郎(長谷川純)は、納得しない。また、尾張の織田家へ嫁いだ帰蝶(川口春奈)も、織田と反目しそうな高政が美濃の実権を握ることを快く思っておらず、孫四郎を後押しする文を送っていた。帰蝶の行為を放置できない高政は、明智光秀(長谷川博己)に、尾張へ行って、釘をさしてくるよう命じるが――
こちらが今回の前半あらすじだが、もう最初のほうを見ただけで、またしても光秀が、あちこちの板挟みになり、困ってしまう展開だとわかる(もう毎度おなじみですね・笑)。
けれど、今回は前回までと違い、光秀がコミカルに困っていられるだけの、物語的な余裕はない。斎藤家の同族争いは悲惨な結末を迎えてしまうし、同じ頃、織田家でも、同族争いに血を流すことでの決着がつけられる。
歴史のなりゆき上、必要な惨劇ではあるけれど、あくまで惨劇でしかなく、視聴者が心ふるわせて涙できる類の悲劇ではない(物語全体から見れば、さほど大きなエピソードではないし、死んだ人びとはドラマの重要人物とは言い難いから、仕方ないのだけれど)。それだけに、なんというか、ただただ、モヤモヤが続く回だった。
ただ、通常のドラマと違って、大河の場合はある程度、歴史の流れから次の展開が読める分、モヤモヤが続く=つまらない回だったとはなりにくい。次回あたり、モヤモヤどころではない大きな悲劇を伴う事件がやってくることが、目に見えているから、むしろこの後への期待が高まってしまう。
そして大河で最初にやってくる、物語の大きな区切りといえば、なんといっても、序盤では実質上の主人公といってもいい活躍をみせる、主人公の親世代の人々の退場だ。本作では、光秀と血のつながりはないが、斎藤道三が該当する。
その道三の最期が、どう描かれるか。序盤最大の山場はもうすぐそこに迫っている。15話で抱えたモヤモヤを、一気に発散させてくれる展開を期待したい。
(ついでに、そろそろ光秀も活躍してくれるといいのですが……麒麟がくるは、群像劇として十分面白いけれど、光秀の影が薄すぎて、ちょっと寂しいのも事実・笑)
今から観るには:NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』
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基本情報:NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』第15話
- タイトル 麒麟がくる
- チャンネル NHK総合/BS/BS 4K
- 番組公式サイトトップ|番組紹介|あらすじ|登場人物|相関図
- 放送日時(第15話): NHK総合 2020年4月26日(日)20:00〜20:45 / NHK BSプレミアム 18:00~18:45 / NHK BS 4K 9:00~9:45
- 出演
- 明智光秀(十兵衛):長谷川博己
- 明智光安(光秀の叔父):西村まさ彦
- 牧(まき、光秀の母):石川さゆり
- 藤田伝吾(明智家の家臣):徳重聡
- 煕子(美濃の土豪妻木氏の娘、光秀の正室):木村文乃
- 斎藤道三(利政、美濃の守護代):本木雅弘
- 深芳野(道三の側室):南果歩
- 帰蝶(濃姫、道三の娘):川口春奈
- 斎藤高政(義龍、道三の長男):伊藤英明
- 土岐頼芸(美濃の守護):尾美としのり
- 稲葉良通(一鉄、道三の有力家臣):村田雄浩
- 織田信秀(織田信長の父):高橋克典
- 土田御前(信秀の継室、信長の母):檀れい
- 織田信長(信秀の嫡男):染谷将太
- 平手政秀(織田家の家臣):上杉祥三
- 藤吉郎(尾張の最下層農民、のちの秀吉):佐々木蔵之介
- 望月東庵(医者):堺正章
- 駒(望月東庵の助手):門脇麦
- 松永久秀(戦国大名、三好長慶の家臣):吉田鋼太郎
- 足利義輝(第13代将軍):向井理
- 三淵藤英(足利将軍奉公衆):谷原章介
- 細川藤孝(足利将軍奉公衆):眞島秀和
- 足利義昭(室町幕府最後の将軍):滝藤賢一
- 今川義元(東海最強の戦国大名):片岡愛之助
- 太原雪斎(今川義元の軍師):伊吹吾郎
- 伊呂波太夫(旅芸人一座の女座長):尾野真千子
- 菊丸(三河出身の農民):岡村隆史