裏と表、二つの道から迫る双子の復讐譚

事業拡大を繰り返し成長した運送会社・キリシマ急便の社長・霧島源平(遠藤憲一)を、二人の男が狙っていた。かつて、キリシマ急便に乗っ取られた吉江運送の養子、矢端竜一(玉木宏)と竜二(高橋一生)の双子の兄弟だ。乗っ取りが原因で、養父母の吉江夫妻は自殺。竜一は復讐のため整形の上、名前も変え、裏のルートから源平を調査。一方竜二は、国土交通省の官僚となり、表から源平の不正を暴こうと動いていた。そんな中、キリシマ急便で過労死が発生し――

こちらが、物語の導入部分になる。

ネタバレっぽくなるので、上記あらすじでは省いたけれど、オープニングにいきなり、物語後半の展開らしき、衝撃的なカットが入っていた。その感じからすると、この復讐の物語、どうもハッピーエンドにはなりそうもない。もちろん、復讐譚である以上、陽気にいけるわけがないのは、最初から予想できてはいるけれど、それなりの覚悟を持って見進めたほうが良さそう。

初回を見る限り、くすりとさせてくれるようなコメディ要素はもとより、和める類の場面も皆無といっていい。けれど、だからこそ、復讐に至る過去の悲しみや、矢端兄弟の暗くも熱い思いが胸に迫ってくる。予告や番宣だけ見ると、重たすぎてしんどいかな……? と思うかもしれないが、見始めてしまうと先が気になってしまう類のドラマだ。

何より、ちょっと軽い話を挟んでしまうと、単純に主人公ふたりが格好いい。全力で必死な、タイプの違うイケメン兄弟とか、美味しすぎます(笑)。遠藤憲一が、本当に悪い男を演じているのも見どころ。コワモテながら、笑顔はむしろ可愛いのだけれど、その笑顔で非道の限りを尽くしていくから、怖さが倍増している。

この三人を中心に物語は回っていくのだが、その他の登場人物たちも、ただ者で終わりそうにないキャラクターばかりで、動向が見逃せない。

源平の妻や子どもたちも、キャストを見るだけでもう怪しい。妻の芙有子(斉藤由貴)なんて、斉藤由貴が大人しいだけの奥さんで終わるとも思えないし、長男・晃(細田善彦)は現状善玉に描かれているけれど裏切りそうな予感もするし、長女・まゆみ(松本まりか)は既に不穏な気配を漂わせている。

矢端兄弟サイドに近い立ち位置の人物たちですら、信用できそうなのは、兄弟の血のつながらない妹・吉江美佐(松本穂)くらい。竜一をサポートする遠山凛子(奈緒)は奈緒が「あなたの番です」を思い出さずにはいられない雰囲気で怪演しているし、ヤクザの大物・曽根村始(西郷輝彦)も、いざとなればどう動くか分からない。

群像劇としての面白さも、十分なドラマになっていると感じた。

余談になるけれど、このドラマの概要を見たとき、2015年にTBS系列で放送された「ウロボロス~この愛こそ、正義。」を思い出した。こちらは同じ施設で育った二人が、それぞれ警察と暴力団の道に進み、表と裏から復讐してゆく物語だった。

どちらも原作がある物語だから(竜の道は小説、ウロボロスはコミック)大筋はある程度原作準拠にはなるのだろうけれど、大枠が似た物語だけに、今後露出してくるだろう両ドラマの差異も、興味深いところだ。

今から見るには『竜の道 二つの顔の復讐者』

  • 第1話〜最新話:FODプレミアム(月額888円+税、無料お試しあり)

基本情報:関西テレビ火曜ドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』第1話

  • タイトル: 竜の道 二つの顔の復讐者
  • チャンネル: 関西テレビ・フジテレビ系列
  • 番組公式サイト: トップあらすじ相関図キャスト&スタッフ
  • 番組公式ツイート: Twitter@ryunomichi_ktv
  • 放送日時(第1話): 2020年7月28日(火)21:00〜22:48
  • 出演:
    • 矢端竜一(竜二の双子の兄、裏社会で斎藤一成、表向きはコンサル会社社長・和田猛):玉木 宏
    • 矢端竜二(国土交通省官僚、竜一の双子の弟):高橋一生
    • 吉江美佐(大学生、竜一・竜二の妹):松本穂香
    • 霧島源平(キリシマ急便社長、竜一・竜二の敵役):遠藤憲一
    • 大友由伸(霧島源平の秘書):渡辺邦斗
    • 霧島 晃(霧島源平の長男、キリシマ急便社員):細田善彦
    • 霧島芙有子(霧島源平の妻):斉藤由貴
    • 霧島まゆみ(霧島源平の長女):松本まりか
    • 曽根村 始(ヤクザ組織会長) :西郷輝彦
    • 砂川林太郎(ネット通販会社役員) :今野浩喜
    • 遠山凛子(竜一の経営するコンサル会社社員) :奈緒