斎藤道三(本木雅弘)と織田信長(染谷将太)が初対面。
明智光秀(長谷川博己)は、ヒヤヒヤしつつ見守るが――
道三と信長の会見が実現。当日、道三は光秀を伴って先行、路傍の小屋から、やってくる信長の様子を見守っていた。信長はかぶいた身なりで、鉄砲隊まで率いており、道三はその真意を測りかねる。だが、装束を改め会見の場に現れた信長と話すうち、道三は信長のことを気にいってゆき――
聖徳寺(正徳寺)の会見は、信長や道三のストーリーを描く中では、外せない一幕だ。定番の筋では、軍勢とともに現れた信長が、傾いたいで立ちを先に見せておいた上で、その後、正式な会見にはピシッと正装で現れ、そのギャップでデキる男感を出して舅の道三に気に入られるというもの(会見そのものは史実ですが、この一幕の参考にされることが多い『信長公記』は、歴史書の常で著者の主観で書かれているので、厳密な史実がどこまでどうだったかは、わかりませんが)。
麒麟がくるでも、その大筋は踏襲しているけれど、このドラマの信長は、標準的な信長に比べると、精神的に陰のある、サイコパスよりの信長だから、正装であらわれた後の、道三とのやりとりのドロドロ感が半端ない。というか、とにかく染谷将太の病んだ雰囲気の笑顔が怖い(笑)。この信長が、ダンディなたたずまいながら、蝮感バッチリの本木道三と笑いあう様子は、得体のしれない迫力MAX。サブタイトル通りながら、今回一番の見どころとなっていた。
また後半は、道三と、嫡男・斎藤高政(伊藤英明)の確執がメインに描かれていく。この部分は前半で、義理の親子・道三と信長の波長のあった様子が描かれた直後だけに、実の親子・道三と高政のどこまでもかみ合わない様子が、より鮮明になっていて、見ごたえがあった。
そして今回(今回も、というべきでしょうか)、全編通して気の毒だったのが、主人公光秀。前半は、濃い信長と道三の常軌を逸した会見の場で、常識人の光秀は心中穏やかならず、後半は主君道三と、幼馴染みの高政の板挟みにあい、常時「もう勘弁して」といった表情。
大河の主人公である以上、間違いなく英雄ではあるけれど、麒麟がくるの光秀は過去のどの主人公より、視聴者目線に近い、共感しやすい描き方をされているから、気の毒感もマシマシだ。
その光秀の苦労は、次回も続きそう。
道三と高政の決裂が決定的になる上、道三の正妻の子である孫四郎(長谷川純)が絡み、そこに帰蝶までも口をだし、美濃はカオスな状態に。
気の毒な光秀を応援する気持ちで、次週を待ちたい。
今から観るには:NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』
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基本情報:NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』第14話
- タイトル 麒麟がくる
- チャンネル NHK総合/BS/BS 4K
- 番組公式サイトトップ|番組紹介|あらすじ|登場人物|相関図
- 放送日時(第14話): NHK総合 2020年4月19日(日)20:00〜20:45 / NHK BSプレミアム 18:00~18:45 / NHK BS 4K 9:00~9:45
- 出演
- 明智光秀(十兵衛):長谷川博己
- 明智光安(光秀の叔父):西村まさ彦
- 牧(まき、光秀の母):石川さゆり
- 藤田伝吾(明智家の家臣):徳重聡
- 煕子(美濃の土豪妻木氏の娘、光秀の正室):木村文乃
- 斎藤道三(利政、美濃の守護代):本木雅弘
- 深芳野(道三の側室):南果歩
- 帰蝶(濃姫、道三の娘):川口春奈
- 斎藤高政(義龍、道三の長男):伊藤英明
- 土岐頼芸(美濃の守護):尾美としのり
- 稲葉良通(一鉄、道三の有力家臣):村田雄浩
- 織田信秀(織田信長の父):高橋克典
- 土田御前(信秀の継室、信長の母):檀れい
- 織田信長(信秀の嫡男):染谷将太
- 平手政秀(織田家の家臣):上杉祥三
- 藤吉郎(尾張の最下層農民、のちの秀吉):佐々木蔵之介
- 望月東庵(医者):堺正章
- 駒(望月東庵の助手):門脇麦
- 松永久秀(戦国大名、三好長慶の家臣):吉田鋼太郎
- 足利義輝(第13代将軍):向井理
- 三淵藤英(足利将軍奉公衆):谷原章介
- 細川藤孝(足利将軍奉公衆):眞島秀和
- 足利義昭(室町幕府最後の将軍):滝藤賢一
- 今川義元(東海最強の戦国大名):片岡愛之助
- 太原雪斎(今川義元の軍師):伊吹吾郎
- 伊呂波太夫(旅芸人一座の女座長):尾野真千子
- 菊丸(三河出身の農民):岡村隆史