動き出した今川義元（片岡愛之助）
織田信長（染谷将太）に迫る危機を打開する鍵は、あの人物

駿河の今川家と、尾張の織田家の間で戦が始まろうとしていた。明智光秀（長谷川博己）は、越前の地で穏やかに暮らしながら、信長や帰蝶（川口春奈）の身を案じる。義元が、三河の松平元康（風間俊介）を尾張侵攻の先鋒に立てるつもりと知った光秀は、ある計略を思いつき、帰蝶に文を送るが――

今回から、ついに徳川家康（作中では竹千代→元信→元康）役が、幼少期の岩田琉聖、少年期の池田優斗を経て、風間俊介へとバトンタッチした。これで、信長・秀吉・家康、三英雄全員が出そろったことになる。

前例のない異色の信長、猿感を全開に押し出したコミカルな秀吉と来て、家康がどうなるか、気になるところだったが、少なくともこの20話に関しては、家康らしい家康だった。振り切った信長や秀吉と違い、純朴・誠実な若者として描かれている。

後年の家康は老獪な狸親父になっていくわけだけれど、若かりし頃の家康としては、これは従来のイメージ通りの、順当なパターンだ。みんながみんな尖っていても、落ち着かないから、あっ、意外とまともなんだ？　と思うと共に、ちょっと安心もした。地に足のついた、風間俊介らしい良さもよく出ていて、ドラマが見やすくなっている。

また、もうひとつの見どころとしては、ようやくはっきりした自分の意志で動き出した主人公・光秀だろう。ここまでの光秀は、おおむね歴史的事件に巻き込まれては、濃い人々に振り回される立ち位置だった。

その光秀が、誰に命じられるわけでも、頼まれるわけでもなく、自ら動いて桶狭間の戦いに関わりはじめる。これには、やっと主人公らしくなってきたじゃないと、ちょっと感動した（ここまで長かったですね・笑）。

さて、次回はいよいよ桶狭間の戦いとなる。信長の飛躍のきっかけとなる、歴史の転換点といってもいい戦が、どう描かれるか。また、ついに自らも動き出した光秀が、その中でどういった活躍を見せてくれるのか。見どころは多くなりそうだ。

今から観るには：NHK 大河ドラマ「麒麟がくる」

基本情報：NHK 大河ドラマ「麒麟がくる」第20話

  • タイトル　麒麟がくる
  • チャンネル　NHK総合/BS/BS 4K
  • 番組公式サイトトップ｜番組紹介｜あらすじ｜登場人物｜相関図
  • 放送日時（第20話）：　NHK総合 2020年5月31日(日)20:00〜20:45 / NHK BSプレミアム 18:00～18:45 / NHK BS 4K 9:00～9:45
  • 出演
    • 明智光秀（十兵衛）：長谷川博己
    • 明智光安（光秀の叔父）：西村まさ彦
    • 牧（まき、光秀の母）：石川さゆり
    • 藤田伝吾（明智家の家臣）：徳重聡
    • 煕子（美濃の土豪妻木氏の娘、光秀の正室）：木村文乃
    • 斎藤道三（利政、美濃の守護代）：本木雅弘
    • 深芳野（道三の側室）：南果歩
    • 帰蝶(濃姫、道三の娘)：川口春奈
    • 斎藤高政(義龍、道三の長男)：伊藤英明
    • 土岐頼芸（美濃の守護）：尾美としのり
    • 稲葉良通（一鉄、道三の有力家臣）：村田雄浩
    • 織田信秀（織田信長の父）：高橋克典
    • 土田御前（信秀の継室、信長の母）：檀れい
    • 織田信長（信秀の嫡男）：染谷将太
    • 平手政秀（織田家の家臣）：上杉祥三
    • 藤吉郎（尾張の最下層農民、のちの秀吉）：佐々木蔵之介
    • 望月東庵（医者）：堺正章
    • 駒（望月東庵の助手）：門脇麦
    • 松永久秀（戦国大名、三好長慶の家臣）：吉田鋼太郎
    • 足利義輝（第13代将軍）：向井理
    • 三淵藤英（足利将軍奉公衆）：谷原章介
    • 細川藤孝（足利将軍奉公衆）：眞島秀和
    • 足利義昭（室町幕府最後の将軍）：滝藤賢一
    • 今川義元（東海最強の戦国大名）：片岡愛之助
    • 太原雪斎（今川義元の軍師）：伊吹吾郎
    • 伊呂波太夫（旅芸人一座の女座長）：尾野真千子
    • 菊丸（三河出身の農民）：岡村隆史