三津木俊助(志尊淳)が殺人事件の容疑者に!?
探偵・由利麟太郎(吉川晃司)は、助手の容疑を晴らせるのか
担当編集者の山岸克平(木本武宏)に誘われ、仮装パーティに参加する俊助。この場で何かネタを探し、小説を執筆するよううながされるが、そのパーティでモデルの白川珠喜(島居香奈)が殺害。死亡時に珠喜が履いていたピンヒールを、偶然から片方だけ拾い、持ち主を探していた俊助は、遺体の第一発見者になるとともに、容疑者にもなってしまう。俊助が拘留されたと、等々力警部(田辺誠一)から聞かされた麟太郎は、事件解明に乗り出すが――
今回は1話・2話と比較すると、原作から一番大きくアレンジが施された内容になっていた。怪しいピエロが動き回っていたり、ある程度猟奇性はあるものの、時代がかった雰囲気も薄目で、令和らしい内容になっている。
この3話は、短編『銀の舞踏靴』が原作となっているが、この原作は本当に短編で、ごく短めのお話だ。また、物語の展開はトリッキーだけれど、短いぶん、犯人もかなりあっさりと判明してしまう。そのままドラマ化していては、おそらく1時間の尺が保たなかっただろう。
そこを埋めるように大きく付け足されたのが、麟太郎・俊助の主役コンビと、等々力警部、この三人のキャラクターの関係性を深堀りするドラマだ。俊助のほうが、一方的に麟太郎を頼っているようでいて、麟太郎にも俊助が必要な存在であることが、事件を通して描かれている。
また、ドラマ版には麟太郎と等々力警部が、高校の同級生で共に弓道部だったという原作には無い設定がある。その部分も、今回は拘留された俊助のかわりに、等々力が相方を買って出たこともあり、ふたりの気のおけない様子が描かれていて、ドラマに厚みが出ていた(ゆりりん、トドと呼び合っていたのには笑ってしまいましたが……なんでしょうね、この可愛いおじさんたちは)。
さらに前回に引き続き、今回も麟太郎のシンバルキックが炸裂! もちろん、原作にはないアクションだけれど、もうこれは毎回やってほしいところ。また、警察から解放された後は、俊助もSNSを使った情報収集や、犯人の動機解明に活躍。ただただ麟太郎の推理に感心するだけではなく、自分の仕事もきっちりとこなしている。
犯人や動機の意外性はちょっと低めではあったけれど、登場人物たちのドラマがしっかり味わえるという意味では、ドラマから入って、麟太郎たちを気に入ったファンには、なかなか楽しめるお得な回だった。
さて、次回は来々週の最終回とあわせての前後編になる。
予告を見るだけでも、またおどろおどろしさが復活していたから、濃密かつ薄暗いミステリーが二週にわたって楽しめそうだ。
今から見るには『探偵・由利麟太郎』
- 最新話:民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」(無料、次回のオンエア時刻まで)
- 第1話〜最新話:FODプレミアム(月額888円+税、無料お試しあり)
基本情報:関西テレビ火曜ドラマ『探偵・由利麟太郎』第三話・殺しのピンヒール
- タイトル: 探偵・由利麟太郎
- チャンネル: 関西テレビ・フジテレビ系列
- 番組公式サイト: トップ|ストーリー|相関図・キャスト|音楽・スタッフ
- 番組公式ツイート: @ktvyuri8
- 放送日時(第三話): 2020年6月30日(火)21:00〜21:54
- 出演:
- 由利麟太郎(=ゆり・りんたろう、犯罪心理学者・探偵):吉川晃司
- 三津木俊助(=みつぎしゅんすけ、由利の助手、ミステリー作家志望):志尊淳
- 波田聡美(=はださとみ、骨董品屋店主):どんぐり
- 等々力警部(=とどろき警部、京都府警):田辺誠一
- 山岸克平(=やまぎしかっぺい、出版社の編集者):木本武宏
- 第三話ゲスト:村川絵梨 浅利陽介、他
- 原作:横溝正史