パンダ風のメイクとコスチュームで、悪人を成敗する、謎の人物ミスパンダ。
できる限り簡潔に説明するなら、このドラマはミスパンダが、警察や司法で裁かれない類の悪人を、やっつけていくという物語。
テーマとしては、昔からよくある内容だ。
昭和世代なら「ザ・ハングマン」、比較的最近なら、「三匹のおっさん」「天誅〜闇の仕置人〜」などと類似した内容といえるだろう。
けれどこのドラマ、そうしたこれまでの「現代の仕事人」系ドラマとは、一線を画している点がある。それは、悪を成敗していくミスパンダが、操られた存在ということだ。
ミスパンダの正体、主人公の囲碁棋士・川田レン(清野菜名)は、自分がミスパンダである自覚がない。レンは、メンタリスト・森嶋直輝(横浜流星)の精神操作によって、ミスパンダの人格を呼び起こされ、彼の指示で悪人を成敗していく。
このドラマは、確かに悪人成敗の物語ではあるけれど、比重としては、その箇所は半分くらいといった印象。
ではあと半分は? といえば、それはレンと直輝自身にまつわる物語だ。
レンにも直輝にも、何やら過去に事情がある様子。それが今後どう、絡んでくるのか。
そしてレンと直輝の、歪な関係がどうなるか。
レンは自身がミスパンダであることに気づくのか、気づいたなら、どうなるのか。
直輝が悪人成敗に手を染める理由はなんなのか。
そして、ミスパンダを操る直輝もまた、さらなる黒幕に使われる存在だ。
その黒幕、Mr.ノーコンプライアンス・佐島源造(佐藤二朗)は、何を企んでいるのか。
第一話では、まだ謎ばかりの状態だけれど、こうした、ヒーロー側の事情も、シロクロの見どころになっていきそう。
謎ばかりといえば、日本テレビ系のこの時間は「3年A組」『あなたの番です』「ニッポンノワール」と、意表をつく超展開ドラマが続いてきた枠だ。今回の第一話だけ見ればシロクロは、謎が多いとはいえ、今挙げた数作と比べれば、面白いのは面白いけれど、比較的まっとうなドラマに感じた。
「ニッポンノワール」までの作品群と違い、シロクロは、制作が日本テレビから、系列の読売テレビに変わっているから、雰囲気も変わるのかも、などと思いながら視聴していたのだけれど――
ラストまでみると、このまっとうさがキープされるのかどうか、怪しくなってきた。直輝の幼少期の回想が少し描かれ、そこで登場した直輝の父・哲也を演じていたのが、なんと友情出演の田中圭!
この流れで田中圭といえば、もちろん頭に浮かぶのは、彼が主人公・手塚翔太を演じた「あな番」だ。
もしかして、このチョイスは、「あな番」に負けないくらいの超展開、今後やらかしますよ? という、制作サイドのメッセージなのでは……と、ちょっと期待してしまう。
まだどうなるかは、全くわからないシロクロだけれど、今後の展開を楽しみに見守ってゆきたい。迷っている方も、とりあえず、一度はご覧になることをお勧めします。ミスパンダの可愛さと、横浜流星のミステリアスなイケメンぶりを見ているだけでも、十二分に楽しいですから(笑)。
今から観るには:『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』
- 最新話:TVer(無料、次回のオンエア時刻まで)
- 第1話〜最新話: Hulu(フールー)(月額1,026円、無料トライアル期間、最新話見逃し無料などあり)
基本情報:読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』#01
- タイトル: シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。
- チャンネル: 日本テレビ系列
- 番組公式サイト: トップ イントロダクション ストーリー 相関図 キャスト・スタッフ
- 番組公式ツイート: @shirokuro_drama
- 放送日時(#01): 2020年1月12日(日)22:30〜23:25
- 出演:
- 川田 レン(ミスパンダ/囲碁棋士):清野菜名
- 森島 直輝(メンタリスト、大学生):横浜流星
- 神代 一樹(全日テレビ・ディレクター):要潤
- 佐島 あずさ(全日テレビ・記者):白石聖
- 伊藤 健人(全日テレビ・AD):坂東龍汰
- 飯田 兼一(全日テレビ・チーフプロデューサー):福田転球
- 田中 三太(全日テレビ・プロデューサー):永山たかし
- 門田 明宏(レンの精神科主治医):山崎樹範
- 加賀 春男(囲碁喫茶店主):升毅
- 加賀 佳恵(春男の妻):椿鬼奴
- 東山 楓(囲碁棋士):吉田美月喜
- 菊池 勘平(囲碁喫茶の常連客):水澤紳吾
- 中島 きよし(囲碁喫茶の常連客):松浦祐也
- 小林 孝雄(囲碁喫茶の常連客):スチール哲平
- 並木 しげる(囲碁喫茶の常連客):浅見小四郎
- 小園 武史(直輝の学友):中田圭祐
- 前川 雪乃(直輝の学友):祷キララ
- 川田 麻衣子(レンの母):山口紗弥加
- Mr.ノーコンプライアンス(法務大臣):佐藤二朗