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グランメゾン東京 #03【鹿肉のロティとコンソメ】

この第3話は「ジビエ」という鹿や猪など野生動物の肉を使う料理をテーマにしている。
フレンチのコースではメインの肉料理は牛が一般的だが、日本では冬の狩猟が解禁される11月中旬からこのジビエ料理が出始める。
クセがあるが、寒い日に赤ワインに合わせるのは最高の一品。
そのタイミングに合わせたエピソードである。

ミシュランの星がほしいシェフ倫子(鈴木京香)が、訳ありの二つ星シェフ・尾花(木村拓哉)に誘われて目黒にオープンするレストラン「グランメゾン東京」は、まだ開店準備の段階。

そこに雑誌主催の、鹿肉を使ったジビエ料理のコンクールの話が舞い込む。

敵役は、尾花に京野(沢村一樹)を引き抜かれたばかりの二つ星レストラン「gaku」だ。

このTBS日曜劇場の悪役・敵役は、なぜか歌舞伎役者が多い。
古くは「半沢直樹」の香川照之しかり、「ブラックペアン」の市川猿之助しかり。
今回の木村拓哉のライバルは、尾上菊之助。「下町ロケット」でも、イモトアヤコや阿部寛を裏切るベンチャー経営者を演じていたが、単なる悪役ではなく、極悪人に操られてダークな道に進んでしまう、微妙な存在だった。

今回も同様、本当の悪の親玉はその「gaku」のやり手オーナー、江藤(手塚とおる)で、そのズルさ、したたかさが露呈する。なんと、ライバル(と言える段階にも達していないのだが)のグランメゾン東京を潰すために、腕のいい猟師を押さえて上質な鹿肉を買い占めてしまうのだ。

そんなことがあったら、コンテストを主催するメディアに訴えれば、失格どころか、そのレストランの星も剥奪されそうな問題だが、そこはドラマ。その意地悪に尾花がどう対抗するか、というのが今回の見どころだった。

その過程で、彼に距離を置いていた相沢(及川光博)の心も少しずつ動き始める。
キッチン部分の内装が出来初めて、いよいよ次回はレストランのオープンとなりそうな期待感が膨らむ第3話だった。

P.S.

黒猫のタンゴも出るんだ、という、年配の人にしか通じない昭和のジョーク。

今から観るには「グランメゾン東京」

基本情報:TBS日曜劇場「グランメゾン東京」#03