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TBSテレビ日曜劇場『半沢直樹』2020年 #02

半沢直樹(堺雅人)はSpiralを守れるのか!?
そして姿を現したホワイトナイトは

IT企業・電脳雑技集団による、世界第五位の検索システムを擁する企業・Spiralの買収という巨大案件を、親会社東京中央銀行に奪われた東京セントラル証券企画部。部長の半沢は、銀行への逆襲のため動き出す。半沢の部下・森山雅弘(賀来賢人)は、学生時代の親友でSpiralの社長・瀬名洋介(尾上松也)に、買収に対抗する防衛策を提案。防衛のためには、資金力がある友好的企業・ホワイトナイトの協力が必須だったが、折よくパソコン周辺機器の販売会社・フォックスが名乗りを上げる。だが、半沢はフォックス社長・郷田行成(戸次重幸)に疑念を抱き――

今回も、Spiral買収をめぐっての、金融バトルが繰り広げられていく。
1話では部下の森山や浜村瞳(今田美桜)がいるとはいえ、孤軍奮闘気味だった半沢だが、今回は味方の陣容が整っていく。Spiral社長・瀬名は半沢たちとアドバイザー契約を締結。動向の怪しかった東京セントラル証券社長・岡光秀(益岡徹)や、半沢たちへの裏切り行為の後銀行に戻っていた三木重行(角田晃広)も、半沢サイドの立ち位置に。

それらメンバーでの総力戦で、戦っていくのだが、敵も敵で、半沢を恨む東京中央銀行の伊佐山泰二(市川猿之助)は相変わらずふてぶてしく、後ろ盾になった頭取・三笠洋一郎(古田新太)とあわせて、ふてぶてしさ二倍。物語のパターン的に、半沢たちが勝つであろうことは読めていても、いい感じでギリギリに苦戦させてくれるのが、とにかく楽しい。

さらに楽しさを増してくれるのが、前シーズン最強の敵だった東京中央銀行の取締役・大和田暁(香川照之)だ。大和田は、三笠とは派閥が違うこともあり、現状、半沢の敵として大きな動きはしていないが、とにかく存在感が凄い。

相変わらずの顔芸はもとより、先週1話では、半沢の倍返しに対抗するかのように「施されたら施し返す、恩返しです」、今回は首斬り動作つきでの「おしまいDeath!」と、面白台詞を連発。この様子では毎回なにか、大和田語録とでも言えそうな決めゼリフを増やしていってくれそうでニヤニヤしてしまう。

そして最後はもちろん、半沢たちの勝利でスッキリさせてくれる。出来過ぎといえば、出来過ぎな展開だから、普通なら「いやいやいや……ないわー」と苦笑するところだ。けれど、歌舞伎役者陣をはじめとする面々の、いい意味で無駄に濃いお芝居が、ドラマのエンタメ度をゴリゴリ高めてくれるお陰で、細かいことはまあいいかと素直に楽しめてしまう。

改めて半沢直樹というドラマの強さを感じた。

そして来週はといえば、前シリーズでもオネエ口調で話題をさらった金融庁の強敵・黒崎駿一(片岡愛之助)が登場し、一層強烈さを増していく模様(なにせ予告で半沢が「相当メチャクチャ激しくヤバいぞ」と漏らしてますw)。新登場といえば、黒崎が濃すぎて、予告では見逃しかけたけれど、スピンオフドラマ・狙われた半沢直樹のパスワードで活躍した、Spiralのプログラマー・高坂圭(吉沢亮)も出てくる様子。

こちらは半沢たちの味方だろうから、敵も味方も強化されることになる。毎週毎週どこまでアゲていってくれるのか、楽しみだ。

今から観るには『半沢直樹』

基本情報:『半沢直樹』2020年シーズン