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NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第21話【決戦!桶狭間】

押し寄せる今川の大軍を前に織田信長(染谷将太)は――

今川義元(片岡愛之助)自ら大軍を率いての尾張侵攻がはじまった。その先鋒を任された徳川元康(風間俊介)を今川家から離反させようと、信長は菊丸(岡村隆史)を使者にたてる。しかし元康は承知しない。織田方劣勢で進む戦の中、信長は二万の大軍と称する今川勢の戦力を分析、起死回生の一手を探っていく。一方、その頃、戦況を憂う明智光秀(長谷川博己)も、尾張へ駆けつけようとしていた――。

いよいよ歴史のターニングポイント、桶狭間の合戦だ。戦国を描いたドラマの中で、幾度となく描かれてきた戦いだけれど、やはりというか、予想通りというか、「麒麟がくる」の桶狭間は、いままでの描かれ方とはずいぶん異なっていた。

大抵のドラマでは、桶狭間の合戦は、豪雨の中を小勢で馬を飛ばした信長が、桶狭間で休息している義元を急襲し、討ち取るパターンで描かれる。だが、このドラマでは、当初雨が降っていない。豪雨による視界の悪さを利用しての、運任せの無茶な奇襲といった描き方はしていないのだ。

むしろ戦力を冷静に分析し、今川勢の大軍二万が、どこにどう展開し、義元周辺にどれだけの兵が残存しているかを判断。動かせる自軍の人数と比較し、戦力的に見て、勝ち目があると判断した上で、出陣してゆく。

これだけでも十分新しいのだが、迎え撃つ今川方も、これまでのドラマのイメージとは一新。大抵のドラマでは、襲われた義元は、どちらかというと貴族的に描かれ、ただうろたえるうち首をとられてしまう。

だが、片岡義元は、刀を抜き奮戦。さらに義元の首を取る毛利新介(今井翼)のアクションもすさまじく、「海道一の弓取り・今川義元」の名にふさわしい見事な最期が演出されていた(時代劇大好きなのですが、自ら敵を殺した義元なんて、ドラマでは初めて見ました)。

戦国時代は好きだけれど、一年間もドラマ見てられないよと、大河を見ていない方がもしいたなら、この桶狭間のシーンだけでも、ぜひ見てほしい。そう思わせてくれる、最高の桶狭間だった。

尚、次回以降の放送は、コロナ禍の影響でしばらくお休みになり、放送日程も未定。
けれど、これだけのものを見せられたら、しばらく間があいても、続きを見たい熱はひかないし、むしろヒートアップしそう。
再開の日を、楽しみにしたいと思います!

今から観るには:NHK 大河ドラマ「麒麟がくる」

基本情報:NHK 大河ドラマ「麒麟がくる」第21話