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NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第19話【信長を暗殺せよ】

織田信長(染谷将太)暗殺阻止に奔走する明智光秀(長谷川博己)
首謀者は幼馴染のあの人物で――

信長は、弟・信勝(木村了)に毒殺されそうになるも、返り討ちにする。そのために、信勝を溺愛する母・土田御前(壇れい)との関係は最悪のものになってしまう。一方、越前で暮らしていた光秀(長谷川博己)は、領主・朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)から、京に戻った足利将軍家への献上品を届けるよう頼まれる。だが、その京で光秀は不穏な噂を耳にする。上洛してくる信長の暗殺計画があるというのだ――

大河は時間の流れが早い。
17話で斎藤道三(本木雅弘)が亡くなってからすでに2年、6話で光秀が三好長慶(山路和弘)を救う活躍を見せてからはすでに11年が経過している。

当然のことながら、役者さんたちの見た目は変わっていないから、作中でそのことに言及されると、歴史の流れをあらかたわかってはいても、ええー、もうそんなになるんだ……? と、ちょっとびっくりしてしまった。

そして大河の時間の流れの早さのせいで、犠牲になるのが、登場人物たちの死亡のドラマだ。結構な重要人物すら、死に際を描いてもらえないことが多く、いわゆる「ナレ死(ナレーションで死亡が語られる)」させられてしまう。

今回は道三の跡を継ぎ、美濃の主となった斎藤義龍(伊藤英明)が、その被害にあっている。義龍はこの19話では、なかなか重要な役回りなのだけれど、その19話のうちにあっさりナレ死するとは……。斎藤家まわりの話への区切りを、このへんできっちりつけようという構成上の都合だろうけれど、ちょっと可哀想な感じがしてしまった。

毎週見ていれば、お気に入りの登場人物が自然とできてしまうから、その最期がナレ死にならないか、ドキドキしてしまうのも、大河の醍醐味(?)のひとつではあるのだけど……辛いところです。

余談だけれど、大河史上最強のナレーションとしては、日本史の一大イベントをナレーションですませてしまった2016年『真田丸』の関ケ原の合戦があるが、このときは最早個人の死どころではなく、未曾有の大合戦が数秒で終了してしまったのだから、残念とか悲しいとかを通り越して面白すぎた(いや、笑っちゃうでしょう、超高速関ケ原なんてやられたら)。

さて、麒麟がくるに話を戻して、次回は三英雄のひとり家康が(まだ元康と名乗っている時代ではありますが)キーマンに。
ついに子役ではなく、風間俊介が登場し、桶狭間の戦いまでの流れを追うことになる様子。成人した家康がどんな雰囲気になるか、注目して待ちたい。

今から観るには:NHK 大河ドラマ「麒麟がくる」

基本情報:NHK 大河ドラマ「麒麟がくる」第19話