美濃を二分する戦が勃発!
その決着は――
斎藤道三(本木雅弘)と跡を継いだ高政(伊藤英明)の間で、美濃を二分する戦が始まった。集まった兵数を比べれば、道三側が圧倒的に不利な状況。しかしそんな中、明智光秀(長谷川博己)は、道三に味方しての出陣を決断する。一方、道三の娘・帰蝶(川口春奈)の嫁ぎ先である尾張の国では、織田信長(染谷将太)が舅である道三救援のため出陣しようとしていた――
道三と高政が開戦し、ついに美濃を舞台とした物語もクライマックス。
もちろん、開戦したからには、大河の花ともいうべき、合戦シーンも満載。見どころいっぱいの一話となった。
前半は、とにかく合戦が熱い!
陣太鼓にあわせての進軍から始まり、川の中でのぶつかりあい、細かい1カット1カットに至るまで、臨場感がある。CGを駆使したような大軍同士の絵や、軍事シミュレーションのような俯瞰はないけれど、より、兵ひとりひとりに近い視点での殺陣が、リアルな殺し合いの迫力を倍増させていて、画面から目が離せない。
そこから、道三が一騎駆けして高政のもとへ向かい、両者の直接対決へ場面が移っていく。このくだりは、ドラマの創作だ。けれど、これがまたいい! 詳細はドラマで見ていただきたいので割愛するが、試合に負けて勝負に勝ったというような、いかにも本木道三らしい最期で、胸が熱くなる。
そして後半は、高政勝利に終わった後、敗者側についていた明智家のその後が描かれていく。
いつ高政が襲ってくるか分からない中で、光秀は叔父・光安(西村まさ彦)より家督を譲られる。その上で、当主としていつか明智家を再興させるべく、身内と共に美濃から脱出することに――ここで、番組開始から描かれてきた美濃の物語は、一段落。
初回から、美濃の人びとや風景を丁寧に描いてきた本作だから、一抹の寂しさを感じずにはいられない。とはいえ、天下を制した信長を討った光秀を描く以上、いつまでもひとつの国にじっとさせてもおけないし、次の展開への期待が高まっていく。
次回は、光秀たちが、越前朝倉家へと落ち延びていく模様。光秀という人物は、若い頃の詳細がはっきりしない武将だ。光秀が朝倉家に仕えていたという説もあるけれど、まだ当面は創作の余地が多いはず。それだけに、光秀が新しい土地で、どういう活躍をしてくれるかは、予測がつかない。
大河好きとしては、道三の最期のような熱い創作を、次回以降も期待したいところだ。
今から観るには:NHK 大河ドラマ「麒麟がくる」
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基本情報:NHK 大河ドラマ「麒麟がくる」第17話
- タイトル 麒麟がくる
- チャンネル NHK総合/BS/BS 4K
- 番組公式サイトトップ|番組紹介|あらすじ|登場人物|相関図
- 放送日時(第17話): NHK総合 2020年5月10日(日)20:00〜20:45 / NHK BSプレミアム 18:00~18:45 / NHK BS 4K 9:00~9:45
- 出演
- 明智光秀(十兵衛):長谷川博己
- 明智光安(光秀の叔父):西村まさ彦
- 牧(まき、光秀の母):石川さゆり
- 藤田伝吾(明智家の家臣):徳重聡
- 煕子(美濃の土豪妻木氏の娘、光秀の正室):木村文乃
- 斎藤道三(利政、美濃の守護代):本木雅弘
- 深芳野(道三の側室):南果歩
- 帰蝶(濃姫、道三の娘):川口春奈
- 斎藤高政(義龍、道三の長男):伊藤英明
- 土岐頼芸(美濃の守護):尾美としのり
- 稲葉良通(一鉄、道三の有力家臣):村田雄浩
- 織田信秀(織田信長の父):高橋克典
- 土田御前(信秀の継室、信長の母):檀れい
- 織田信長(信秀の嫡男):染谷将太
- 平手政秀(織田家の家臣):上杉祥三
- 藤吉郎(尾張の最下層農民、のちの秀吉):佐々木蔵之介
- 望月東庵(医者):堺正章
- 駒(望月東庵の助手):門脇麦
- 松永久秀(戦国大名、三好長慶の家臣):吉田鋼太郎
- 足利義輝(第13代将軍):向井理
- 三淵藤英(足利将軍奉公衆):谷原章介
- 細川藤孝(足利将軍奉公衆):眞島秀和
- 足利義昭(室町幕府最後の将軍):滝藤賢一
- 今川義元(東海最強の戦国大名):片岡愛之助
- 太原雪斎(今川義元の軍師):伊吹吾郎
- 伊呂波太夫(旅芸人一座の女座長):尾野真千子
- 菊丸(三河出身の農民):岡村隆史