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シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。 #09【ついにコアラ男と最後の戦い】

8年前のふたつの事件、ついに真実が判明!

森嶋直輝(横浜流星)は、故人である父・哲也(田中圭)が残した動画を視聴。動画ごしに、自分に何かあっても復讐するなと伝えられ、動揺する。Mr.ノーコンプライアンス/佐島源造(佐藤二朗)が、コアラ男による娘のあずさ(白石聖)誘拐事件及び、哲也殺害は自分が起こしたと伝える映像を残したことから、事件は解決したかにみえたが、直輝の中ではいまだ復讐は終っておらず、佐島の告白も嘘だと考えていたのだ。そこへコアラ男から、川田レン(清野菜名)を誘拐したと連絡が入り――

前回は佐島を演じる佐藤二朗の怪演回だった。今回は真犯人がそうなるかと思いきや、真犯人もさることながら、直輝のイっちゃった感が、それ以上に凄まじくて、驚いた。

初回から前々回あたりまで、直輝は感情を表に出さないミステリアスなキャラクターとして描かれていた。その間、クールな演技は横浜流星のイケメンぶりとよくあうけれど、感情移入しにくくなるのはデメリットだなあ……などと思いながら見ていたものだが、もしかしたら、あれは終盤での壊れっぷりを際立たせるための前置きだったのかも。だとしたら、大成功だ。

直輝は、悲しい過去のせいとはいえ、自分の目的のためなら手段を選ばないサイコな部分もある人物。だから、壊れていてもおかしくない。ないのだけれど、ここまで抑えたカッコいい演技が多かったぶん、今回の狂気がじわじわにじみ出てくるお芝居には、より衝撃が強かった。

ただ、迫力十分で面白い一話だったけれど、今回は直輝がメインで、レンのほうはちょっと割をくった感がある。何より、ミスパンダに至っては、回想にしか出てこない。

次回はいよいよ最終回だから、ミスパンダの活躍はそちらでということだろう。事件の真相は今回で判明してしまったから、あとは主人公ふたりがどんな結末を迎えるのかが主軸になるはず。

ここは元気なミスパンダに締めてもらえる、明るめの展開を期待したいところ。予告を見る限りにおいては大丈夫そうだけれど、何かとやらかしがちな枠だけに、最後まで油断せずにいたほうが良さそうだ。

今から観るには:『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』

基本情報:読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』#09