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シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。 #08【衝撃展開!父殺害の真相とは】

コアラ男による誘拐事件の真相に、あの人物が絡んで!?

8年前に佐島あずさ(白石聖)を誘拐した犯人・コアラ男が、森嶋直輝(横浜流星)の父・哲也(田中圭)だったという報道番組が、テレビディレクター・神代一樹(要潤)によって流される。直輝は神代のもとに出向き、ガセネタを流す真意を問いただすが、証拠となる哲也の遺書を見せられて動揺する。一方、精神科医・門田明宏(山崎樹範)殺害犯として拘留中の母・麻衣子(山口紗弥加)と面会した川田レン(清野菜名)は、直輝を殺すよう、うながされ――

導入部分のあらすじは、上記の通りなのだけど、今回のオープニングにはちょっと驚いた。本編の導入に入る前に、簡単に過去の流れを振り返る映像が流れたのだが、その部分のナレーションが、故人である哲也によるモノローグだったからだ。

それも、将来を想像して過去に書いた手紙等ではなく、現在の状況をしっかり把握して、見守っているかのようなセリフ回し……まさか実は生きていたとかいう超展開だったりしないかと一瞬期待してしまう。

単に、哲也を演じる田中圭ファンへのサービスかもしれないけれど、幽霊が当たり前に現れるわけでもないドラマで、故人が現在値で語るモノローグというのは、物語の描き方として、ちょっとルール違反だ。それなら、実は哲也が生きていたと言われるほうが、無茶ぶりでも納得がいくのだけれど、果たしてどうなるかは、次回以降、物語の決着を待つしかなさそう。

今回は、直輝がミスパンダことレンの本体であるリコの協力を得て、コアラ男の真相に迫っていったものの、まだ事件は解決していない。前回同様、いまだシロクロがつけられない、重いドラマが続いている。

その中で、炸裂していたのがMr.ノーコンプライアンス/佐島源造を演じる、佐藤二朗の怪演ぶり。シロクロは、山崎樹範といい、山口紗弥加といい、怪演大豊作(?)のドラマだけれど、やはり究極は今回の佐藤二朗だろう。

コミカルな風貌に、普段のご本人のちょっと面白くも良識あるツイートや、勇者ヨシヒコシリーズの仏役の印象なども強いだけに、そこからのギャップもあって、鬼気迫る演技がいっそう背すじにゾワッときてしまう。役者さんって、本当に凄い人種だと、ただただ感心してしまった。

シロクロも残すところあとわずかだけれど、誘拐事件の真犯人がいまだ不明である以上、まだ怪演は飛び出しそう。真犯人が誰で、その役者さんが、どんな凄まじい演技を見せてくれるのかにも、注目していきたい。

今から観るには:『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』

基本情報:読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』#08