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シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。 #06【復讐の裏で女の戦いが勃発!】

ミスパンダの偽物騒動に決着
だが、本物のミスパンダに異変が!?

偽者のミスパンダが、死刑囚を誘拐の上殺害。本物のミスパンダと飼育員は、濡れ衣を着せられ、指名手配されてしまう。飼育員こと森嶋直輝(横浜流星)は、Mr.ノーコンプライアンス/佐島源造(佐藤二朗)に、真犯人を探す旨を伝えるが、佐島は今後の関わりを拒む。一方、ミスパンダの正体である川田レン(清野菜名)は、精神科医・門田明宏(山崎樹範)の死で、不安定になっていた。そこへ直輝の婚約者・佐島あずさ(白石聖)が取材と称して接触し――

ミスパンダ&飼育員に指名手配がかかり、黒幕佐島が直輝を突き放すところまでは、ここから巻き返して、シロクロつけるのだろうなと、さほど心配なく見ていられた。だが、レンがボロボロになっていくのは、なんとも辛い。

ミスパンダになってしまえば、いつも通り可愛く飛び回ってくれるし、シロクロもつけてくれるけれど、そのミスパンダすら、ラストシーンでは壊れてしまう。そのせいでシロクロつけた爽快感が吹き飛んでしまって、視聴後には、切なさと重苦しさが残った。

数少ない救いは、喫茶店の店長夫妻、加賀春男(升毅)と佳恵(椿鬼奴)が、レンに対して家族同様の愛情を見せたことだろうか。シロクロは、主人公のひとりである直輝まで含めて、グレーかブラックな人物が大半。それだけに加賀夫妻の見せる純粋な愛情は、このドラマの中ではとても貴重だ。

一方、ただただ可哀想なレンに比べて、直輝のほうは、ちょっと同情しづらい。ミステリアスに描かれているせいで、感情をほとんど表に出さないから、第6話まで話が進んでも尚、なんだかよくわからない人のままなのだ。というか、冷静に考えてみると、父親を殺された気の毒な過去があるにしても、レンの精神を操り、婚約者あずさも利用している時点で、普通にひどい。直輝が、横浜流星の顔面を持っていなかったら、嫌悪感すら持ってしまっていたかも(イケメンってすごいなあ)。

最終回までに、なんらかの形で、直輝の本当の優しさみたいなものが、描かれてくれるといいのだけれど――それなしには、このドラマ、ハッピーエンドは絶対的に迎えられない気がしてしまう。

そうそう、救い(?)が、もうひとつありました! 小ネタですが、重たいお話の中で、思わず笑ってしまった場面が、一か所。

直輝とテレビマン・神代一樹(要潤)が情報をやりとりする際、使った喫茶店のBGMが、高橋ジョージのロード!(その高橋ジョージは、捜査一課長役で出演しています)。切々と歌い上げているBGMが気になってしまって、直輝と神代の会話が、一瞬、頭に入ってきませんでした(笑)。

いや、話が頭に入ってこないなら物語の邪魔になってるしダメじゃん……と思われるかもしれないが、このくらいの笑いをもたらしてくれる遊びは、あったほうがいい。そもそも、シロクロは、はっちゃけたパンダが飛び回るようなドラマですからね!

今から観るには:『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』

基本情報:読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』#06