Drama View – テレビドラマのレビューサイト

シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。 #03【スポーツ代表選考に潜む殺意】

クライミングの日本代表選考に潜むグレーゾーンにシロクロ!

スピードクライミングの日本代表選手・宮澤沙奈恵(秋元才加)が、出場を辞退。沙奈恵の練習中、誰かがロープを切り、彼女を殺そうとしたのだという。Mr.ノーコンプライアンス/佐島源造(佐藤二朗)は、飼育員さんこと森嶋直輝(横浜流星)に調べるよう指示。直輝は川田レン(清野菜名)の精神を操作し、ミスパンダとなったレンと共に、調査を開始する。

調べるのがクライミングに関わるグレーゾーンだけに、ミスパンダもクライミングを披露してくれて、その様子がまた可愛い。いつも身軽でアクロバティックなアクションで魅せてくれるけれど、今回はまた飛び回り具合が半端なかった。

シロクロつける事件のほうは、今回もさっくりと気持ちよく解決。だが、レンと直輝の置かれた状況は、じわじわ不穏な雰囲気になっていく。

このドラマ、主人公ふたりの周囲に、腹に一物ありそうな人物がやたらと多い。佐島はもとより、レンの治療を行う精神科医・門田明宏(山崎樹範)は、最初から怪しさ満載だったし、一見いい人そうなレンの親代わり・加賀春男(升毅)も徐々に怪しい気配を見せはじめた。さらには、テレビディレクターの神代一樹(要潤)も、ミスパンダの裏にいる直輝の存在に気付きはじめている。

そしてそもそも、主人公のひとり・直輝にしてからが、現段階でレンを勝手に操り、佐島とのつきあい方も何やら怪しくて、誠実な人物とは言い切れない。裏のある人間が多すぎて、なんというか、爽快感あるお話のわりに、安心して見ていられる場面が、思いのほか少ないのだ。

レンは直輝に思いを寄せ始め、ミスパンダも飼育員さんを信頼しきっている。レンと直輝の甘いシーンは素敵で、ミスパンダと飼育員さんのやりとりも可愛くカッコいいのだけれど、こうしたシーンにさえも、蜃気楼のような儚さを感じてしまう。

第3話では、レンについての、とある重要な秘密も提示されたし、今後も不穏さはマシマシになっていきそう。主人公たちの重いドラマもじっくり見たいけれど、願わくば、最終回まで、スッキリさせてくれる娯楽作品としての爽快感のほうも、キープしてほしいなあ(超破滅的な展開になりそうで、不安なのですよね)。

今から観るには:『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』

基本情報:読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』#02