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シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。 #02【カネとコネまみれの大学入試】

今回シロクロつけるのは、大学の不正入試疑惑。

ミスパンダの正体・川田レン(清野菜名)と、飼育員・森嶋直輝(横浜流星)は、東京誠立大学で学長が、浪人生に刺される事件を目撃。レンも襲われそうになるが、直輝がかばい、ことなきをえる。事件の原因は、大学の不正入試疑惑への怒りだった。直輝は、Mr.ノーコンプライアンス・佐島源造(佐藤二朗)から、不正入試疑惑にシロクロつけるよう指示を受け、ミスパンダと共に動き出す――

というのが、第二話の主な流れだ。
今回も、ミスパンダが可愛く、パワフルに、隠された悪を暴いてスッキリさせてくれる。多少、強引で無理がある部分もないではないけれど、主人公がミスパンダな時点で、多分にコミック的なノリなのだし、重箱の隅をつつくようなことはせず、スカッとする悪人退治を、素直に楽しんでしまうべきだろう。

一方、シリアスで重たいのは、レンと直輝の過去だ。

レンは、火事、姉の死、母親による虐待といった記憶のフラッシュバックに苦しめられている。

直輝のほうは、本人の感情はあまり描かれていない。だが、失踪して死んだ父親が残したデータが、佐島の娘・あずさ(白石聖)の誘拐事件に関するものだったことから、複雑な感情で、佐島やあずさと接していることが、うかがえる。

まだパズルのピースのように、断片的な情報しか出ていないけれど、いずれレン、直輝、佐島、それぞれの事件や事情が、収束していきそう。

タイトルになぞらえて、スカッとする悪人退治ドラマをシロとするなら、ダークで重い主人公たちのドラマはクロ。どちらも半端なグレーにならず描ききってくれるなら、ひとつのドラマで、シロクロ二種類の方向性が楽しめるのは、お得でいい。

余談だけれど、毎回何か、ミスパンダが、有名作品の決めゼリフ関連のひと言を言うのが、シロクロのお約束になっているのかも。

第一話では、手術室で「アタシ失敗するかもしれないんで」と、「ドクターX」を思わせるセリフを、この第二話では「真実はいつもひとつ」と、「名探偵コナン」のセリフを口にしている。「名探偵コナン」のアニメはシロクロと同じ読売テレビ制作だから、そのままのセリフだったけれど、「ドクターX」はテレビ朝日制作のドラマだから、もじったセリフになっていたのかなと思うと、クスっとさせられた。

今後も、局を問わず、いろいろな決めゼリフが飛び出してくれるなら、ちょっと楽しみだ。

今から観るには:『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』

基本情報:読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』#02