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相棒 season18 #12 【青木年男の受難】

サイバーセキュリティ対策本部の青木年男(浅利陽介)が拉致された!?
蟻地獄図鑑を介したSOSで、特命係が動き出す――

特命係・杉下右京(水谷豊)のもとへ、サイバーセキュリティ対策本部の土師太(松嶋亮太)が、青木に電話で頼まれたと蟻地獄図鑑を返しにやってくる。だが、右京には覚えがない。しかも青木本人は、無断欠勤し、外部から警察内部のデータベースにアクセスしていた。右京は、警察内部のデータ目的の何者かに、青木が拉致されたと判断し報告、捜査を開始するが――

拉致された青木が、ヘルプを出してきたのが、大嫌いな特命係というところに、まずニヤリとさせられた。青木は、一時期特命係に籍を置いていたし、よく協力もしているけれど、右京のことも、冠城亘(反町隆史)のことも、決して快く思ってはいない。だが、それでも、二人の能力については、信頼しているから、得意の屁理屈をこねまわして、犯人を翻弄、蟻地獄図鑑などという、意味不明アイテムを使って、SOSを発信してくる。

とにかく、青木の魅力である、ねじくれた性格が全開で微笑ましい(青木くんの場合、これは誉め言葉ですw)。まさしく青木ファンには、見逃せない一本だ。

そしてもちろん、見どころは青木だけではない。特命係のふたりは、犯人と高度な知能戦を展開していくし、そこには今回のゲスト、特命係に協力する刑事・木村(中村優一)も、大きく絡んでいく。木村は、真面目で熱心な若手刑事だけれど、真面目さも、熱心さも、「相棒」というドラマでは「善」の側面だけで、終わらせてはもらえない。

事件の真相には触れないけれど、今回も相棒らしい、苦味が残る結末だった。ただ、全体の後味は意外と悪く感じない。それはやはり、憎たらしいけど憎みきれない青木節が、随所にコミカルに炸裂していたせいだろう。青木くん、グッジョブ!(笑)。

今から観るには:「相棒 season18」

基本情報:テレ朝ドラマ「相棒 season18」#12