Drama View – テレビドラマのレビューサイト

シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。 #01【清野菜名×横浜流星W主演】

パンダ風のメイクとコスチュームで、悪人を成敗する、謎の人物ミスパンダ。
できる限り簡潔に説明するなら、このドラマはミスパンダが、警察や司法で裁かれない類の悪人を、やっつけていくという物語。

テーマとしては、昔からよくある内容だ。
昭和世代なら「ザ・ハングマン」、比較的最近なら、「三匹のおっさん」「天誅〜闇の仕置人〜」などと類似した内容といえるだろう。

けれどこのドラマ、そうしたこれまでの「現代の仕事人」系ドラマとは、一線を画している点がある。それは、悪を成敗していくミスパンダが、操られた存在ということだ。

ミスパンダの正体、主人公の囲碁棋士・川田レン(清野菜名)は、自分がミスパンダである自覚がない。レンは、メンタリスト・森嶋直輝(横浜流星)の精神操作によって、ミスパンダの人格を呼び起こされ、彼の指示で悪人を成敗していく。

このドラマは、確かに悪人成敗の物語ではあるけれど、比重としては、その箇所は半分くらいといった印象。

ではあと半分は? といえば、それはレンと直輝自身にまつわる物語だ。

レンにも直輝にも、何やら過去に事情がある様子。それが今後どう、絡んでくるのか。
そしてレンと直輝の、歪な関係がどうなるか。
レンは自身がミスパンダであることに気づくのか、気づいたなら、どうなるのか。
直輝が悪人成敗に手を染める理由はなんなのか。

そして、ミスパンダを操る直輝もまた、さらなる黒幕に使われる存在だ。
その黒幕、Mr.ノーコンプライアンス・佐島源造(佐藤二朗)は、何を企んでいるのか。

第一話では、まだ謎ばかりの状態だけれど、こうした、ヒーロー側の事情も、シロクロの見どころになっていきそう。

謎ばかりといえば、日本テレビ系のこの時間は「3年A組」『あなたの番です』「ニッポンノワール」と、意表をつく超展開ドラマが続いてきた枠だ。今回の第一話だけ見ればシロクロは、謎が多いとはいえ、今挙げた数作と比べれば、面白いのは面白いけれど、比較的まっとうなドラマに感じた。

「ニッポンノワール」までの作品群と違い、シロクロは、制作が日本テレビから、系列の読売テレビに変わっているから、雰囲気も変わるのかも、などと思いながら視聴していたのだけれど――

ラストまでみると、このまっとうさがキープされるのかどうか、怪しくなってきた。直輝の幼少期の回想が少し描かれ、そこで登場した直輝の父・哲也を演じていたのが、なんと友情出演の田中圭!

この流れで田中圭といえば、もちろん頭に浮かぶのは、彼が主人公・手塚翔太を演じた「あな番」だ。
もしかして、このチョイスは、「あな番」に負けないくらいの超展開、今後やらかしますよ? という、制作サイドのメッセージなのでは……と、ちょっと期待してしまう。

まだどうなるかは、全くわからないシロクロだけれど、今後の展開を楽しみに見守ってゆきたい。迷っている方も、とりあえず、一度はご覧になることをお勧めします。ミスパンダの可愛さと、横浜流星のミステリアスなイケメンぶりを見ているだけでも、十二分に楽しいですから(笑)。

今から観るには:『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』

基本情報:読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』#01