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相棒 season18 #11 元日スペシャル【ブラックアウト】

ゴルフコンペの場が一転、監禁籠城事件の現場に!
警視庁上層部にOB、そして特命係・杉下右京(水谷豊)も人質になってしまい――

警視庁主催のゴルフコンペが開催。特命係のふたりは、警視庁上層部やOBたちが集うコンペの準備係を担当することに。だが、無事コンペが終了し、撤収をはじめたところで、ゴルフ場の地下駐車場で爆発が発生。警視庁OB・蓮見恭一郎(長谷川初範)と、秘書の雨宮紗耶香(瀧本美織)、さらには刑事部長・内村完爾(片桐竜次)と、右京までもが、他の来客たちと共に、地下に閉じ込められてしまう。幸い、爆発による負傷者はなかったものの、閉じ込められた人々の中に混ざっていた暴力団員・溝口正吾(蛍雪次郎)が、その場の皆を人質に取ると宣言し――

こちらが、物語の導入になる。
結論から言うと、元日スペシャルにふさわしい、見ごたえある内容だった。

導入だけ見れば、溝口との交渉等がメインになるかと思うかもしれないが、そこは相棒だけに、一筋縄ではいかない。冒頭から、これだけわかりやすく犯人が提示されているにも関わらず、怪しい人物が次々と動き出してゆき、最終的には当初見えていたものとは、まったく別の様相が浮かび上がってくることになる。

脇を固めるゲスト俳優陣も、レギュラー放送なら、ひとりで犯人役を務めそうな人々がそろっている。誰が真犯人でもおかしくない状態で、役者による犯人当てができる状態でないことも、ポイントが高い。

そして右京と相棒・冠城亘(反町隆史)の活躍も、もちろん見どころ。
今回は、冒頭でふたりが分断されてしまうが、地下から無事脱出し、亘と合流するまでの間の、右京がとにかくキレキレ。切れすぎる頭脳と、特命係ふたりがそろうと、相棒役が力仕事担当になることが多いせいで、忘れがちだけれど、右京は身体能力もずば抜けている。まさに右京の持てる力すべてが、遺憾なく発揮された回になった。

全体的に、ケチのつけどころなどないのだけれど、個人的に、ちょこっと惜しかったことがひとつ。

監察官・大河内さん(神保悟志)も出してほしかったなあ。相棒は、長寿番組で準レギュラーメンバーも結構な人数がいるだけに、お気に入りの登場人物がなかなか出てくれないのですよね(笑)。なので、スペシャル回ならば……と、ついつい登場を期待してしまうのだけれど、今回は監察対象になるような無茶を、特命係がやってくれなかったため、登場ならず……残念!

さて、次回12話では、サイバーセキュリティ対策本部・青木年男(浅利陽介)が、拉致監禁されてしまう模様。今回人質になった右京と違い、青木では無双とはいかない。その分、いい意味でハラハラできそうだし、青木も転んでもただでは起きない曲者だから、どんな活躍をしてくれるか楽しみだ。

次週は、刑事・伊丹憲一(川原和久)が主役のスピンオフ映画「X DAY」の放送で、レギュラー放送は一回お休みだから、少し先になるけれど、期待して待ちたい(「X DAY」も面白いですよ!)。

今から観るには:「相棒 season18」

基本情報:テレ朝ドラマ「相棒 season18」#11