先週最終回を迎えてすぐ翌週、早くも放映となった特別編は、犯罪コンサルタント・誉獅子雄(ディーン・フジオカ)が行方不明になって一週間後から、始まる物語だ。

主人公となるのは、誉の助手・若宮潤一(岩田剛典)。
誉が姿を消した埠頭で、日々警察が捜索する様子を見つめる若宮に、フリージャーナリスト・門司かれん(木南晴夏)が、誉の話を聞かせてほしいと声をかけてくる。かれんは、誉の功績を後世に遺すため調べていた。この出会いをきっかけに、若宮は誉の捜索も兼ね、誉がどういう人間だったのか探るべく、かれんと二人で、過去に関わった事件関係者たちに、接触してゆくことになる。

この導入を見れば、ありきたりな総集編と思われるかもしれないが、この特別編はあくまで、本編を見た視聴者に向けた構成になっている。これ一本で、すべてを速足で把握できるわけではないので、そこはご注意いただきたい。

若宮は事件の周辺にいた人物たちに、かれんは犯人たちを中心に誉という人物について話を聞いていく。その中で、事件を振り返るような映像も入りはするが、進行の中心となるのは、本編では描かれなかった、関係者たちの事件当時の思いや、事件から時間が経過した現在の心境などだ。

結論から言えば、彼らの話から、誉という人間を浮き彫りにしてゆこう、という目的そのものは、達成されたかどうか、ちょっと微妙に感じなくもなかった。また、誉の好敵手・守谷サイドについての情報があまり出なかったことや、誉の兄・万亀雄(高橋克典)の登場がなかったなど、惜しい部分も何点かある。

だが、最終回で強い喪失感を覚えた視聴者にとっては、まさにクリスマスプレゼントになるような特別編でもあった。若宮の誉への思いは切ないけれど、関係者たちのその後、特に被害者や周辺人物たちが、元気に生きている姿は気持ちを明るくさせてくれた。

関係者たちに触れていく中で、立ち直り、最終的に、前を向いて進みだす若宮の変貌ぶりも必見(これはほんと、どこから、つっこんでいいかわかりませんw)。そこまで見届ければ、後は特別編最大のプレゼントを確認するだけだ。こちらはぜひご自身の目で確認していただきたい。

この特別編で、現状、シャーロックは完全終了となるようだ。
だが、守谷が結局どうなったのかは、不明のまま。
また、かれんのその後も、特別編のエンディングでは触れられていない。
あわよくば、今後の展開が、何かあるのでは……と期待したいところだ。

今から観るには:「シャーロック」

基本情報:フジテレビ「シャーロック」特別編

  • チャンネル: フジテレビ系
  • 番組公式サイト: トップイントロダクションストーリー相関図キャスト&スタッフ
  • 番組公式ツイート: Twitter@SHERLOCKcx
  • 放送日時(特別編): 2019年12月23日(月)21:00〜22:48
  • 出演:
    • 誉 獅子雄(犯罪捜査コンサルタント):ディーン・フジオカ
    • 若宮 潤一(精神科医):岩田剛典
    • 小暮クミコ(巡査部長):山田真歩
    • レオ(謎のスケボー少年):ゆうたろう
    • 江藤礼二(警視庁捜査一課・警部):佐々木蔵之介
    • 門司かれん(フリージャーナリスト):木南晴夏