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ドクターX ~外科医・大門未知子~ #10【最終回拡大スペシャル・2019/12/19放送回】

最終回は、主人公の外科医・大門未知子(米倉涼子)はもとより、レギュラーメンバーの皆それぞれが活躍。見どころ満載のエンディングとなった。

前半はピアニストの少年・吉行和十(城桧吏)のオペ、そして後半は拘置所から緊急搬送されたニコラス丹下(市村正親)のオペを主軸に物語は展開していく。

和十のオペでは、前回第9話で名誉挽回を果たした外科医・原守(鈴木浩介)が、熱い。腕はほどほどでも、患者によりそう医療を心がける原の持ち味がしっかり描写されていた。

そして後半、丹下のオペでは、院長・蛭間重勝(西田敏行)を除く、東帝大学病院の医師たち一致団結する、これまた熱いクライマックスを迎える。

丹下のオペは困難であり、蛭間は丹下のオペそのものを阻止しようとする。
しかも、丹下が逮捕拘留中の人物であることから、蛭間や、検察の許可を得ずオペをすれば、参加したドクター全員が犯罪者になる可能性まであるという状況。それでも未知子は、相棒の麻酔科医・城之内博美(内田有紀)と共にオペを開始する。

その中で、前述の原はもとより、他の医師たち、加地秀樹(勝村政信)・海老名敬(遠藤憲一)・潮一摩(ユースケ・サンタマリア)・浜地真理(清水ミチコ)・村崎公彦(藤森慎吾)といった、決して悪人ではないけれど、普段は御意御意と保身に走りがちな面々が、苦悩の末、医師としての本分に立ち返っていく。この悩みに悩んで、未知子と同じ土俵に立つ彼らが、最高にかっこいい。

かっこいいといえば、オペの場にはいない、神原名医紹介所所長・神原晶(岸部一徳)の存在感も胸に来るものがあった。皆のサポートを受けながら、未知子は師匠・神原の教えを自身に言い聞かせるように語りつつ、オペを進めていく。この瞬間、その場の誰より強く未知子を支えていたものは、神原の存在だったのかもしれない。

とにかく後半は名場面の目白押し。そして手術の後には、とある大どんでん返しも用意されていて、最後の最後まで見逃せない内容だった。

まさしく最終回にふさわしい一話で、基本大満足させてもらったけれど、ただ一点。
その最後のどんでん返しに関わる、丹下の腹心・鮫島有(武田真治)の真意を、もう少しわかりやすく描いてほしかったかも(鮫島、ぐっとくるものが込められたカットもあったんですが、後は視聴者のご想像にお任せしますといった印象だったのですよね)。

終ってしまって寂しいけれど、1クール、十分以上に楽しませてもらった。
本当に、面白かったです!!

今から観るには:「ドクターX ~外科医・大門未知子~」

基本情報:テレ朝ドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」#10(2019年秋、第6シリーズ)