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相棒 season18 #08 【2週連続スペシャル:檻の中~陰謀】

輸送中の保釈金、3000万円が強奪!
前後編スペシャルの前編開幕

研究費横領容疑で逮捕拘留中の大学教授・皆藤(中村育二)の保釈金が強奪される事件が発生する。同日、特命係・冠城亘(反町隆史)は、旧友の週刊誌記者桝本(山崎樹範)から、今日保釈だったはずの皆藤が、保釈されていない理由を探れないかと持ちかけられ、調査を開始。一方、かつて、別の事件で皆藤と面識のある特命係・杉下右京(水谷豊)も、研究一筋の皆藤が横領に手を染め、かつ保釈を急いでいることに疑問を感じており――

こちらが今回のあらすじだが、前後編の前編だけに、まだ不明点も多く、ここから物語がどう展開してゆくのかは、前編を見終わっても、全く想像がつかない。

そのため、現状で語れることは少ないのだけれど……もしこの前編を見逃してしまって、後編のみ見ようと考えている方がいらっしゃるなら――見逃し配信等の活用を強くおすすめします。

というのは、今回の事件が、なかなか込み入った内容になっているため。
前編だけに限っても、家事等をしながら、ながら見していると、「それで何がどうなったんだっけ?」となる可能性が高い内容だった。
となれば、後編のみの視聴だと、余計混乱してしまって、楽しみが半減する危険はより大きくなるはず。

だったら、もう前後編まとめてお休みして、その次から見ればいいや……と思われる方もいらっしゃるかもしれない。だが、それはおすすめできない選択だ。

なぜなら、今回の前編及び後編の予告を見る限り、この二話が、season18の中で、大事な位置づけになってきそうな雰囲気が強くにじみ出ているからだ。

次回予告には、皆藤が何らかのテロらしきものに関わっている様子、さらに防衛技術振興協会副会長・桂川宗佐(村上新悟)がチラりと映っている。

桂川はseason18の初回前後編スペシャル「アレスの進撃」において初登場した人物。「アレスの進撃」は、平和主義の功罪や武器輸出の是非を問う、重い内容だったが、その中で桂川は武器輸出推進派の立場にあった。

その桂川が再登場し、ロボットやドローンの遠隔操作技術を専門とする皆藤がテロに関わるとなれば、再び、世界平和や戦争、兵器のあり方などを問う類の内容になってくるはず。

これは推測でしかないけれど、こうした戦争と平和を考える内容が、season18の全体を貫く主題のひとつになっているのかも。だとすれば、毎年恒例の元旦スペシャルにも、さらに繋がってゆく流れになる可能性まである。

毎回の普通の事件も面白い「相棒」だが、今回の前後編「檻の中」が、今後のseason18をしっかり楽しむためにも、見ておいたほうがいい内容になっているのは間違いない。

ここまで読んで、戦争? テロ? なんだかしんどそう……と思ってしまった方も、ご安心を。事件とテーマこそ重くても、そこは相棒。ちゃんと面白い内容だし、エンディングまで、特命係の二人が、しっかり導いてくれるはず――うっかり見逃しや、ながら見さえしなければ!

今から観るには:「相棒 season18」

基本情報:テレ朝ドラマ「相棒 season18」#08