エリート官僚とテーラー、男性二人の心中事件。
現場に残されたヴィジュネル暗号が示していたのは――

犯罪コンサルタント・誉獅子雄(ディーン・フジオカ)のもとに、捜査一課係長・江藤礼二(佐々木蔵之介)が、持ち込んできたのは、官僚とテーラーの心中事件。当初、乗り気ではなかった誉だが、現場にライオンの写真が残されており、その裏には暗号が書かれていると知り、捜査に乗り出す。

誉は暗号をひと目でヴィジュネル暗号(フランスの外交官ヴィジュネルにより、15世紀後半から16世紀後半頃作り出された暗号)だと看破。“サットン”と書かれていると読み解く。サットンといえば、心中したふたりが卒業したエリート養成ビジネススクールの名称だった。誉は、サットンビジネススクールの調査を、開始するが――

今回も、冒頭から、「男性同士の心中事件」「暗号」「閉鎖的なビジネススクール」と、いかにも物語めいた道具立てで、シャーロックワールドが広がっていく。さらには、サットンビジネススクールの校長・安蘭世津子(長谷川京子)が、また謎めいた雰囲気の女性だから、いっそう妖しい雰囲気になっていく。

作りこまれた世界の中で、誉はもちろん、華麗な推理を見せてくれるのだが、今回に関しては、ある意味、犯人に逃げられたと言えなくもない、結末を迎えることになる。結末の詳細は伏せるが、今回の犯人はなかなかの強敵で、同時に、シリーズ最大の敵となるであろう人物・守谷の関係者でもあり――と見ごたえ十分の一話だった。

また、誉の兄・誉万亀雄(高橋克典)の登場も、今回の見どころだろう。
彼は原作のシャーロック・ホームズにおける、兄・マイクロフト・ホームズの立ち位置にあるキャラクター。マイクロフトは国家の政策に内々に関わるような実力者だが、万亀雄もまた政府の内情に通じた高級官僚だ。そして、種類は違うものの、弟同様の切れ者。ふたりの、互いを利用しあうようなやりとりは、クールでクレバーな、かっこよさがある。

この一話で、万亀雄の出番は終了なのか、今後も深く関わってくるのか、気になるところだ。

さて次回は、高級レストランで、誉たちが事件に巻き込まれる話になるようだ。アオリ文句は「殺人フルコース」……どんな食事会が繰り広げられるのか、楽しみに待ちたい。

今から観るには:「シャーロック」

基本情報:フジテレビ「シャーロック」#08

  • チャンネル: フジテレビ系
  • 番組公式サイト: トップイントロダクションストーリー相関図キャスト&スタッフ
  • 番組公式ツイート: Twitter@SHERLOCKcx
  • 放送日時(#08): 2019年11月25日(月)21:00〜21:54
  • 出演:
    • 誉 獅子雄(犯罪捜査コンサルタント):ディーン・フジオカ
    • 若宮 潤一(精神科医):岩田剛典
    • 小暮クミコ(巡査部長):山田真歩
    • レオ(謎のスケボー少年):ゆうたろう
    • 江藤礼二(警視庁捜査一課・警部):佐々木蔵之介