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同期のサクラ #07【人間は一生、大人なんかになれねぇんだて。なる必要もねえ。】

安倍総理夫妻が「桜を見る会」の招待者推薦にかかわっていたことがわかった日の夜に放送された『同期のサクラ』第7話。

故郷の体育館の壇上で訴えかける、高畑充希の演技がすごかった。
魂が揺さぶられた。

一度もこのドラマを観ていない人にも、高畑充希は競馬のCMに出てる可愛い感じの子だと言う印象しかない人にも、このドラマ史に残ると言っても過言ではない第7話をオススメしたい。

自分の信念を曲げないことの辛さ。

胸を締めつけられるようなこのドラマの感動は、信念を曲げなかったせいで打ちのめされるサクラが可哀想だからではなく、サクラのように信念を通したくても結局は曲げてきてしまった自分の歴史を可哀想だと思ってしまうからかも知れない。

第1話から観てきた人は、後半のCM明けに、自分を育ててくれた島の住民たちの前でサクラが何を言うか、だいたいの想像はつく。
しかし、それでもその想像をはるかに超えた、脚本家の遊川和彦ならではの言葉の運びは絶妙。そして、それを受け止めた高畑充希の迫真の演技に、打ちのめされる。

ひとつあると言えば、エンドテーマである森山直太朗の「さくら」が流れ終わった後のシーンで見せるサクラの行動が、ちょっと後味が悪い。しかしながら、この後味の悪さ、キレイには終わらないことも、この物語の特色である。

来週は1回お休みを経て、最終話まで、あと3回。

P.S.

やっと、じいちゃんのコロッケが食べられたね。それもみんなで。
そして、すみれさんからの電話にも涙がにじむ。

基本情報:日テレドラマ『同期のサクラ』#07