Drama View – テレビドラマのレビューサイト

相棒 season18 #06 【右京の目】

特命係・杉下右京(水谷豊)、失明!?
アパートの空き室に置かれた不審なメロンから、はじまる事件。

清掃員をしている和江(山本道子)から、アパートの清掃中、不審な物音がする空き部屋があるので調べてほしいと依頼され、右京と冠城亘(反町隆史)は現地へ向かう。室内に入ってみると、無人の部屋には高級メロンの箱が置かれていた。つい近寄って箱を開けてしまう和江。だが、その瞬間、怪しいガスが噴出。右京がかばい、和江は事なきを得るが、ガスを浴びてしまった右京は失明してしまい――!?

というのが、今回の導入。
いきなりの戦力ダウンからスタート!? ……と思いきや、そこは杉下右京。
翌日には、休むようにという亘の勧めを聞き入れず、出勤。
歩行こそ多少おぼつかないとはいえ、推理力はいつも通りだし、ほぼほぼ通常営業してしまう。本人が元気だから、失明という衝撃的な言葉とは裏腹に、むしろコミカルな回になっていた。

見えないのにいつものように、高々とポットを掲げ、カップに紅茶を注ごうとして失敗したり、自分の補助にスマホのAIアシスタント、Buddy(SiriやAlexaみたいなもの。それにしても、Buddy……相棒って直球すぎて笑えます)を使おうとするも、音声をうまく聞き取ってもらえず苦戦したりと、珍しい右京の姿が見られて、くすりとさせてくれる。

だが、そうした要素を入れてくれながらも、面白いだけで終わらないのも相棒だ。特命係の捜査で、やがて弱者を囲い込み搾取していく卑劣な犯罪が、暴かれていく。謎解きに関わる箇所だから、多くは触れないが、国のセーフティネットのあり方などを、考えさせられる部分があった。また、自身の体験から、右京が視覚障がいの人びとの苦労に思いをはせる場面もあり、今回も社会的なエッセンスがしっかり入っている。

相棒は、このあたりのバランスが、毎度のことながら絶妙なドラマだ。

尚、右京さんの目は(皆さんもちろん、予想されておられたでしょうが)、エンディングできっちり回復していますのでご安心を。

次回はしっかり回復した右京が、なんとサイバーセキュリティ対策本部の青木年男(浅利陽介)を息子役に仕立てて、婚活パーティに潜入する模様。
右京さんと婚活パーティー、しかもあの青木くんが息子役……予告の数カットだけでも、おかしくて、次回が待ち遠しいです!

今から観るには:「相棒 season18」

基本情報:テレ朝ドラマ「相棒 season18」#06