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ニッポンノワール-刑事Yの反乱- #05【十億円強奪犯判明!第1部、完結―。】

第1話で殺害された、捜査一課碓氷班・班長碓氷薫(広末涼子)。
その薫が、主人公の捜査一課刑事・遊佐清春(賀来賢人)に、息子の克喜(田野井健)は、あなたの子だと話す場面から始まった、ニッポンノワール第5話。

それだけで十分波乱の展開だが、もう波乱などという言葉では収まらない内容だった。
複雑な物語だから、ひと言で言い表すのは困難だが、あえてひと言でまとめるなら、もはや「戦争」といっていいかもしれない。

刑事や警察が話の中心になるドラマは数多いけれど、その警察に対して、集団が殴り込みをかけるというのは、まずありえない展開だ。この第5話では、そのありえない展開を、堂々とやってのけている。

これがもし、テロ集団や知能犯といった類の人間が、効率よくスマートに占拠するといったパターンなら、まだどうにか理解できる(実際、ドラマ「踊る大捜査線」や「相棒」の映画版でそうした事態までは描かれたことがある)。だが、このドラマで起こったのは、そうしたテロ的な内容ではなく、ヤクザ映画に近い、真正面からの襲撃だ。

第5話のタイトルは「ベルムズ」。
ベルムズといえば、ドラマ内での半グレ集団の名称だから、荒事になっておかしくない回ではあったけれど、これには驚いた。

毎回、飛ばしに飛ばしているニッポンノワールだが、まだ物語も折り返し地点に到達したばかり。なのに、ここまでやってしまうのだから、この後、終盤のクライマックスに向けて、どう盛り上げていくつもりなのか、想像もつかない。もうミサイルが飛んでも、大災害が発生しても、驚かないくらいの心構えで見たほうがいいかも……とすら、思ってしまう。

その尖った内容だけでも目が離せない上、ドラマ「3年A組」から出演していた、ある人物が死亡したりもするから、気持ちがざわざわしっぱなしの一時間だった。カオスここに極まれりといった感じだけれど、ともかく、面白かったのは確か。見ている間中、「ええー?」「待って待って」「いやいやいや」「うわー」みたいな独り言が、自然ともれる勢いといえば伝わるだろうか。

今回で、第1部が終了、次回から第2部になる。
録画が残してあったり、動画配信が見られるなら、このあたりで一度見返して、頭の中を整理しておくほうがいいかもしれない。
第2部が始まって、さらなるカオスに見舞われてもいいように――。

今から観るには:「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-」

基本情報:日テレドラマ「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-」#05