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ドクターX ~外科医・大門未知子~ #03【2019/10/31放送回】

大門未知子(米倉涼子)にも治せないもの、それは失言!?

今回の患者は失言だらけの厚生労働大臣・梅沢三郎(角野卓造)。
病気治療のためではなく、東帝大学病院をマスコミからの隠れ蓑に利用しようと入院してきただけだったが、未知子は梅沢の舌がんを発見。手術すれば48時間で退院できると未知子は診断するが、副病院長・ニコラス丹下(市村正親)は、梅沢の入院を長引かせたいと考えていた――

というのが、第三話の導入部分だ。
治療方針が逆方向だから、未知子と丹下はもちろん対立。しかも入札談合容疑で拘置されていた病院長・蛭間重勝(西田敏行)が、梅沢の尽力で不起訴を勝ち取り帰還したから、病院内の勢力図も、混沌としてきた。

その様子を見ていて思ったのだけれど、「Doctor-X」はやっぱり蛭間がいたほうが面白い。

蛭間は、自分が一番大事で腹黒い、海千山千。悪人といえば悪人なのだが、怖い人物というよりは、人間の悪いところ、駄目なところが、わかりやすく詰まった人物。まさに東帝大学病院を体現しているといってもいい。

その蛭間がそばにいるからこそ、まっすぐ己を貫く未知子や、腹黒さはあっても、財政逼迫中の病院を救うことにかけては、一本筋の通った信念のようなものが見える丹下が、より映える。

また、蛭間を海老名敬(遠藤憲一)、加地秀樹(勝村政信)、原守(鈴木 浩介)といったいつものメンバーが囲んで、ごちゃごちゃやっている図は、本当に駄目なおじさんたちといった感じで微笑ましい。このゆる~っとした感じが、病気という重いテーマを扱うドラマの中で、いい息抜きになっている。

敵が丹下だけだと、彼は一見ラテン系なようで、根は真面目だから、常時緊迫している感じになってしまう。蛭間がいてこそバランスが取れると、改めて感じた。

そういえば、今回はその、真面目な丹下一派の一人、次世代がんゲノム・腫瘍内科部長浜地真理(清水ミチコ)が、自己陶酔しながら自分の思い出を語りたがるという意外な芸風(?)を見せ、くすりとさせてくれた。
他の丹下の取り巻きも、今後何か、意外な人間像が見えてくるかも。

予告によると、次回の第4話では丹下一派の次世代インテリジェンス手術担当外科部長・潮一摩(ユースケ・サンタマリア)の母親が病院へやってくる模様。もし、意外な人間像が見られるなら、次は潮の番になりそうだ。

今から観るには:「ドクターX ~外科医・大門未知子~」

基本情報:テレ朝ドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」#03(2019年秋、第6シリーズ)