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シャーロック #04【試合直前に消えたボクシング世界王者!オレンジの傘の謎】

主要登場人物たちの行動パターンが固まってきて、いい意味で見やすくなってきた。

犯罪コンサルタント・誉獅子雄(ディーン・フジオカ)が、数々の特技を生かしつつ謎に挑み、助手の若宮潤一(岩田剛典)は奔放な誉に振り回され、文句を言いながらもサポートしていく。

コンビが挙げた手柄は、捜査一課係長・江藤礼二(佐々木蔵之介)のものになるけれど、その代わり、誉と若宮は民間人ながら自由に捜査を進めることができ、警察の情報も入手が可能。それでも足りない情報があれば、謎の美少年情報屋・レオ(ゆうたろう)が、サクサクっと集めてくる――

前回第3話で名前のみ登場した、誉の好敵手となりそうな謎の男・守谷の存在のように、謎を残して引っ張っている部分もあるけれど、基本的に、事件は一話完結するわかりやすい構成だ。

謎が謎を呼び次回へ強引に気持ちを引っ張られる形式のドラマも面白いけれど、その手のドラマは見る側の気力、集中力が要求されるのも事実。対して、シャーロックは、より気楽に、スタイリッシュでカッコいい男たちの活躍と、謎解きを楽しめる。

このスタイリッシュ、という部分が、標準的な刑事もの系ミステリーとの差だろう。天才的なひらめきを持つ主人公がいても、それが警察や警察に類する組織の人間だと、同時に足で稼ぐ泥臭い捜査をする脇役たちも描かれるから、堅実に地に足のついた物語になっていく。

対してシャーロックでは、全体的にキラキラ感が漂っているのだ。
上記四人のメインキャラクターたちのルックスの良さはもちろん、誉と若宮が同居する部屋は洒落ているし、セリフも少し芝居がかった雰囲気でやっぱりお洒落(誉と江藤の会話などは、特に舞台劇を思わせる掛け合い多くて、小気味いいですよね)。

江藤は捜査をほとんどしないし、レオはなんかうまいことやっちゃう。
真面目な捜査員としては、江藤の部下・小暮クミコ(山田真歩)がいるけれど、彼女の物語上の役割は、サボリ魔でいい加減な江藤へのツッコミ役で、脇役ながら個性が強いから、良い方向にリアリティがなくて、キラキラ感を阻害する、泥臭い要素は見当たらない。

推理物ドラマでは、ありそうで以外とない方向にまとまっているように思う。

この第4話では、ボクシングの試合中に起こった殺人を、誉が解決していくことになるのだが、やっぱりキラキラしていた(笑)。もちろん、犯人や関係者の苦悩なども描かれているのだけれど、華やかなリングでの試合から始まり、謎解きのヒントになったのは、夕焼け色のお洒落なブランド傘。それにボクシングといえば、誉の特技のひとつだから、当然そちらのアクションも見せてくれる。合う合わないはあるだろうけれど、このキラキラ感、はまるとちょっと病みつきになる心地よさがある。

予告によれば、次回は「歩く死体」が事件に関わってくる様子。普通ならありえない、いかにも物語的な謎だから、シャーロックにはよく合いそうで楽しみだ。

今から観るには:「シャーロック」

基本情報:フジテレビ「シャーロック」#04