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ドクターX ~外科医・大門未知子~ #02

ふたりの移植待ち患者に、ひとりのドナー候補。
外科医・大門未知子(米倉涼子)が取った手段は――

巨大企業のCEO・二色寿郎(モロ師岡)が東帝大学病院に入院、肝臓移植が必要となる。
しかし寿郎は家族関係が悪く、臓器提供を申し出てくれる者が皆無。
一方、院長代理のニコラス丹下(市村正親)は、手術成功の折には、10憶円の出資を二色に約束されていたこともあり、なんとしても移植を成功させたい。

そんな中、肝臓を患い入院中のドミノ師・古沢研二(清原翔)の恋人が、寿郎の娘・二色由理(上白石萌歌)であると判明。由理は古沢への臓器提供を望むが、法律上、親族以外からの移植は認められていない。東帝大の医師たちは、寿郎へ肝臓を提供するよう、由理を説得しようとするが、拒絶され――

というのが、物語前半の流れだ。
この後、状況打開のため、未知子がとった手段については、物語のキモなので伏せるが、驚きの手段だった。……というか、筆者は医療についてはまったくの素人なので、えっ、それ、本当にいいの? という感想を抱いてしまった。

さらっとネットで調べてなんとなく納得はしたものの、現実に類似の病状の方もいるであろう、センシティブな問題だし、ネット情報の真偽を見分けるだけの医療知識もないから、このレビューでは、驚いた以上のことは言えない点については、お許しいただきたい(ドラマには医療監修の専門家がついているから、それなりの信ぴょう性はあるはずですが)。

そういった状態なので、ここでは、リアルのお話ではなく、あくまでドラマの「物語」として、話を進めるけれど……未知子のオペで寿郎・由理・古沢、三人の人生が救われることになる。

結果的には、めでたしめでたしという形になって、爽快なお話になるのだが、肝臓を提供するしないといった、手術までの過程に綺麗ごとが含まれていないのは、見事だった。通常のドラマにありがちな、どんな事情があろうが、親子なら分かりあえて助けあえて当然、という、親子の情を使った定型の感動に落とし込んでいないところは好感が持てる。

ドライといえばドライ。しかし自身の人生や命がかかってきたとき、モラルや情に流されて自己犠牲を選ぶのではなく、自分にとって本当に大切なことを選ぶ権利は、人間誰しもが持っているはずだ。

未知子の自身を曲げない生き方が、そのまま反映されているような物語だったように思う。

さて、次回は丹下の策謀により、入札談合の容疑で東京地検に逮捕されていた院長・蛭間重勝(西田敏行)が復活する模様。今週は落ち着いていた院内の勢力争いが、また活発になってくるはず。未知子の活躍とともに、そちらの医師バトルも面白くなりそうだ。

今から観るには:「ドクターX ~外科医・大門未知子~」

基本情報:テレ朝ドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」#02(2019年秋、第6シリーズ)