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ニッポンノワール-刑事Yの反乱- #02【暴かれる一つの罪!偽る者は誰だ!?】

怪しい登場人物たちのうち、最初に脱落したのは!?

記憶をなくしたまま、上司である捜査一課班長・碓氷薫(広末涼子)の殺害容疑をかけられた刑事・遊佐清春(賀来賢人)は、捜査一課理事官・本城諭(篠井英介)の指示により、突然の家宅捜索を受ける。狙いは生前薫が調べあげていた十億円強奪事件の資料。

だが、その資料はもとより、清春を怪しむべき証拠は、何も出てこない。それもそのはず、清春は自宅に隠し部屋を設け、資料はそこに隠してあったのだ。一方、清春は自宅に仕込んでいた隠しカメラの映像から、家宅捜索を指揮した本城こそが、十億円強奪事件の資料を隠しにやってきたことを把握していた。つまり本城は証拠をねつ造しようとしていたのだ――

というところから始まる、ニッポンノワール第2話。
ダメだ、情報量が多すぎる……というのは、清春の部屋の貸主で元刑事の喫茶店マスター・深水喜一(笹野高史)の言葉だが、冒頭から、本当に情報量が多い。

このドラマ、家事の片手間などにかけながら見るには、確実に不向きだ。ぜひ、集中できる時間を用意して、見ていただきたい。そうするだけの価値も確実にある。

清春は、自身の容疑を晴らし、かつ薫の息子・克喜(田野井健)を守るため、さらには強奪事件の後、所在不明となっている十億円をわが物にするため、事件を捜査していく。
今回、清春がとっかかりとしたのが、証拠のねつ造に手を染めた本城だった。

清春に追いつめられた結果、本城、そして本城の娘・芹奈(佐久間由衣)は悲劇的な末路へ向かってゆくのだが、本城は弱くはあっても、完全な悪人ではないところが泣かせる。そして清春も、警視庁のガンよばわりされる、ノワールな刑事でありながら、本城を救えなかったと涙する人間らしさを持ちあわせている。逆に、清く正しいものと世間で認識されている警察組織は、保身のため破滅した本城に、すべての責任を負わせてゆく。

正義と悪の間に、明確な境界線がなく混沌としているのが、このドラマの警察組織だ。
誰も信用できないが、信用できない人間たちの中に、正義が潜んでもいるあたりが深い。

などというと、何だかしんどそう……と、思われるかもしれないが、そんなことはないのでご安心を。

前述のとおり、情報量こそ多いものの、腰を据えて見始めてしまえば、ジェットコースター状態で進んでいくから、あとは乗っかっているだけで、この二話も、十分楽しめる内容になっていた。現状、謎はどんどん増えていく一方だけれど、謎が増えるごとに物語に引き込まれていくのも、心地いい(ここは、ひとつ前に同じ枠で放送されていた話題作『あなたの番です』の勢いを、受け継いでいる感じですね)。

そして次回は、清春の同僚刑事・才門要(井浦新)が、捜査対象となる模様。
才門は人を食った言動の多い、見るからに一筋縄ではいかない男だし、視聴者目線で見れば、井浦新が演じていることからしても、本城のように一話で決着のつく相手とは思えない。

清春と才門の間に、どんな攻防が繰り広げられていくのか、今週以上の盛り上がりを期待して良さそうだ。

と、最後に一言。
特撮ヒーロー・ガルムフェニックスのネタが出てきたのには、テンション上がりました!
(世界観を共有するドラマ「3年A組」と、ヒーローでつなげるとか、うまいなあ。ちなみに今回のキーパーソン・本城も、3年A組から登場していた人物でした)

今から観るには:「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-」

基本情報:日テレドラマ「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-」#02