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ドクターX ~外科医・大門未知子~ #01 【強烈キャラ目白押しの第6シリーズ】

今シーズンの敵は顔もキャラも濃い、ラテン系最強コストカッター!!

山奥の温泉を目指していたはずが、迷子になって、ポツンと一軒家にたどりついたフリーランスの外科医・大門未知子(米倉涼子)。そこで出会った、陽気なおじさん(市村正親)と意気投合。

後日、未知子は東帝大学病院の新副院長・ニコラス丹下から、手術の依頼を受ける。
そのニコラス丹下こそ、あの山奥で出会ったおじさんであり、また東帝大学病院にて経費削減の大ナタを振るいつつある、今世紀最大のコストカッターと呼ばれる男だった。

当初は意気投合したふたりだったが、丹下の導入したAI医療への不審や、自分の患者に勝手な手術を施されるといった強引な手法に未知子は反発してゆき――!?

この初回の見どころは、なんといってもニコラス丹下(市村正親)のキャラクターだろう。
丹下は企業再生に長け、医師免許も持ち合わせる有能な男だが、一風変わっている。陽気で人当りよく、ノリノリで歌いながら料理したかと思えば、ダンスまでしてしまうのだ(これがまた、軽く歌い踊っているだけでも、演じているのが、ミュージカル界のレジェンドだから、無駄にカッコイイ!)。
だがこの男、笑顔でコミュニケーションを深めたばかりの相手すら、即座に病院には不要と経費削減対象にリストアップする冷徹な二面性を持っている。

この第一話では、丹下は未知子の腕を高く評価しているものの、自身のコントロールが効かないことを苦々しく思いはじめている。そして未知子もまた、最初は楽しいおじさんだと思っていた丹下を、ただの人たらしだと懐疑的に見るようになってゆく。

一話にして、未知子と丹下の間には、一触即発の状況が出来上がっているのだ。
ふたりの強烈な個性が、どんなぶつかりあい方をしていくのか、早速ワクワクしてしまう。

対決の軸は、未知子と丹下の他にもある。
丹下とその一派 VS 東帝大学病院の旧勢力の対決だ。

丹下は、運営に行き詰まった東帝大学病院の救世主として、院長・蛭間重勝(西田敏行)が招聘した存在だったが、当の蛭間自身にさえも、コストカットの大ナタが振るわれるに及び、関係は悪化。こちらも、この先がどうなるか興味深い。

また、そうした対決を面白くしているのが、登場人物の多彩さだろう。
未知子と丹下、その濃すぎるほど濃い二人を中央に置いているにも関わらず、霞まない個性を持つキャラクターが目白押し。

美知子の師匠である神原名医紹介所所長・神原晶(岸部一徳)や、シリーズおなじみの東帝大学病院の面々、顔が怖いが笑顔は可愛い海老名敬(遠藤憲一)、金に汚い腹腔鏡の魔術師・加地秀樹(勝村政信)、何気に癒し系な原守(鈴木浩介)も健在。

中でも加地は先週、主役のスピンオフドラマ「Doctor-Y 外科医・加地秀樹」が地上波放送されたばかりの人気キャラクターだが(こちらも面白かったです!)、本来蛭間の一派でありながら、丹下サイドに能力を買われてさくっと立ち位置を変えているのが面白い。
金に汚い加地だから、買収されたのだろうが、根は善人。彼の顛末も気になるところだ。

そして丹下サイドには、加地以外にも新キャラクターが多数参戦。
これがまた濃すぎるラインナップで、誰から注目していいやら、わからないほど。

丹下の右腕で新事務長に就任した鮫島有(武田真治)は、丹下の傍らで微笑んでいるだけで怪しいし、丹下に招集された医師陣も見るからに曲者ぞろい。
外科部長・潮一摩(ユースケ・サンタマリア)、内科部長・浜地真理(清水ミチコ)、外科医・村崎公彦(藤森慎吾)と、並べて役者陣を見ただけで、もう個性の圧が強い。
(特に清水ミチコが、ディズニーアニメの悪役ばりに、わかりやすく嫌なキャラクターの顔を作っているのが、たまりません・笑)

「Doctor-X」は、もともと人気のシリーズだから、その面白さは過去シーズンを、一度でも見たことがある方なら、当然ご存知のはず。
その上、今期はこれだけのメンバーが揃っている。これで面白くならなければ、嘘だろう。

次回、第二話も、第一話同様の拡大版になる模様。
強烈なメンバーの中で、未知子が己を貫き通していく様を、この秋も楽しく見守りたい。

今から観るには:「ドクターX ~外科医・大門未知子~」

基本情報:テレ朝ドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」#01(2019年秋、第6シリーズ)