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同期のサクラ #02 【大人になるとは…自分の弱さを認めること】

サクラ(北野桜、=高畑充希)と同期入社の五人組の、花村建設に入社した2009年からの10年を1年刻みで振り返る形式の第2話。
今回は2010年、入社2年目。
みんなが使っている電話は、まだガラケーだ。

そのころはまだ、昨今ほど問題化していなかった「パラハラ」が堂々と行われている職場が描かれている。
舞台は営業部。パワハラ+長時間残業の被害に合っているのは、サクラの同期、菊夫くん(清水菊夫、=竜星涼)だ。
横暴なパワハラ営業部長・桑野を演じるのは、ちょうど去年の同じ頃、同じ日テレの「ドロ刑 -警視庁捜査三課-」で無鉄砲な体育会系の刑事・勝手田利治を好演していた丸山智己。
この人、「Heaven?~ご苦楽レストラン~」の第7話でも、偉そうな客を演じていたが、今回もハマり役だった。

ビジネスの世界では、部下や下請け会社に無理難題を押しつけ、擦り減らすことで高い営業成績を上げる輩が一定数いる。
数字を達成しているから、会社も文句を言えない。

これは働き方改革が叫ばれ、パワハラをすれば摘発されるケースが一般化した現在でも、まだまだ実際にはありそう。
見ていて気持ちが痛くなるシーンが連続。桑野の無理難題はエスカレートする。
9年前の設定だが「今もそんなに変わってないんじゃないの」というメッセージが聞こえてくるようだ。
いじめがバレないように陰で行われるように、オモテに出ない形で、誰かが誰かに圧を加えている。

ドラマの中では、空気を読まないサクラが、同期の菊夫くんをいじめる桑野部長に堂々と立ち向かう。
だが、当然かなうわけがない。

そして、第1話から何度もサクラに浴びせられる「大人になれ」という言葉。
社会の歪みに自分が合わせて、うまくつき合っていくのが「大人になる」ことだとしたら、果たしてそれはよいことなのだろうか、と考えさせられる。

サクラがFAXで送ったメッセージに、故郷のおじいちゃん(少し健康が心配だが)が返してくれた答えが、深かった。

物語は、何ともすっきりしない、現実社会でも起こりそうな結末を迎える。

次回の第3話は、広報に配属された月村百合(橋本愛)とサクラが対峙するようだ。

P.S.

ドラえもんのポケットのような例の飲食店、まさか「冷や汁」まで出てくるとは。

今から観るには:『同期のサクラ』

基本情報:日テレドラマ『同期のサクラ』#02