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テレ朝ドラマ「サイン―法医学者 柚木貴志の事件―」第6話

今回は新人解剖医・中園景(飯豊まりえ)に焦点の置かれた回だった。

法医学の未来を守るため、信念を曲げ、遺体の解剖結果をねつ造した柚木貴志(大森南朋)。彼が辞職し、法医学研究院を去った後も、景は日々遺体に向きあい続けていた。

ある日、景は金槌で殴られ殺害された遺体の首に「20P」という文字が記されていることに愕然とする。三年前、同様の被害を受け、意識不明のままの彼女の妹の首にも、類似した「5P」という文字が残されていたのだ。

警視庁捜査一課の管理官・和泉千聖(松雪泰子)と刑事・高橋紀理人(高杉真宙)は、容疑者として落合亮一郎(渋谷謙人)を連行するが、彼にはアリバイがあった。落合と面会した景は、三年前の事件について問いただす。その場で落合が、被害にあった当日の妹の髪型を口にしたことで、景は彼が犯人だと確信。

アリバイを崩すべく、景は「20P」と書かれた遺体の死亡推定時刻を調べ直すが、結果は変わらない。やがて景の中に、自分が死亡推定時刻を、書き換えれば、落合を追いつめられるとの思いが沸き起こりはじめる。そこへ、和泉から景の力になってほしいと頼まれた柚木がやってくる。景が自分と同じく、信念を曲げそうになっていると察した柚木は、彼女を放っておけず、共に調べを進めていくことになる。

やがて、事件は落合が過去に書いたゲームシナリオにそって行われていること、落合には協力者がいることが判明。さらに、落合のシナリオには、5組のカップルを殺害する続きがあると分かり――

事件は未解決のまま、次回へと続いていく。

結局、柚木の力を借りることになるものの、冒頭、景はひとりで解剖を担当しており、短期間の間に彼女が力をつけてきているとわかる。その景が、前回の柚木と同様、解剖結果をねつ造するか否かという苦悩も味わう。これまで、サインというドラマの中で、元気担当といった雰囲気だった景が、思い悩みながらあがく様子は、柚木ならずとも応援したくなった。

また、意外だったのは、柚木が早々に復活したこと。
5話で信念を曲げるに至った激動の状況を考えれば、気持ちの整理に1話分くらいは使うかと思っていたから、和泉の説得で、すんなり柚木が景に会いにいったのは予想外だった。

ちょっと惜しい気もするが(個人的には、ゴネる柚木をがっつり見てみたかった・笑)、事件は待ってくれないし、現状柚木はあくまで景に手を貸しているにすぎず、法医学研究所に正式復帰したわけではない。今回の事件が解決した後、研究院に戻るのか、別の場で法医学者として、遺体からのサインを聴き続けるのか。そこについては、次回以降の注目ポイントだろう。

そして、ラストに発見されたゲームシナリオの続きにそって、今回の事件はまだ続いていく。5組のカップル殺害などという大量殺人が発生しようとする状況で、柚木と景は法医学の力でどんな活躍を見せてくれるのか、次回を楽しみに待ちたい。

今から観るには:「サイン―法医学者 柚木貴志の事件―」

基本情報:テレ朝ドラマ「サイン―法医学者 柚木貴志の事件―」第6話