Drama View – テレビドラマのレビューサイト

日テレドラマ「偽装不倫」第6話

「私、本当はね…」と真実を告げようとしたところで彼氏が倒れてしまったために、またしても「偽装」状態の解除がお預けになってしまった第5話の結末。それを受けて期待感の高まる第6話。

このドラマは、冒頭の振り返り映像が丁寧なので、毎回これまでの経緯を復習できる。そこで紹介されるとおり、飛行機の機内で落とした姉の指輪がきっかけで既婚を装ってしまったために始まった、鐘子(杏)の偽りの不倫。

そもそも不倫ではないので、早く伴野丈(宮沢氷魚)に「ホントは独身なの」と伝えればいいのに伝えない、というじれったさを引きずったまま、ドラマは後半戦に突入した。
そのじれったさがドラマに引きこまれる中毒性に繋がっていればよいのだが、いささか引っ張りすぎな感もしてきた。

彼が倒れて病院に搬送された事件に続いて、畳み掛けるように劇的な展開をすれば強烈だったが、ちょっと足踏みしてしまった。丈が、自分の病を誰にも言わないように一之瀬医師(眞島秀和)に嘆願したことで、緊急事態が一旦落ち着いてしまうからである。

ただ、言えばいいのに言わない、という、この不自然きわまりない状況描写をほぼ完璧にこなしている杏の熱演は見ものである。ガラス越しにときどき出てくる「自分を叱る自分」など、いろいろな顔を使い分けていて面白い。

そして、むしろこの第6話では、絶賛「本不倫」真っ最中である鐘子の姉・葉子(仲間由紀恵)の偽装工作が、夫・賢治(谷原章介)に、ほぼバレそうになって嘘の堤防が決壊していく様のほうがドキドキしながら観ることができる。

聡明なキャリアウーマンの葉子が、そんな危険を冒してまでピンクの髪のボクサー、風太(瀬戸利樹)に入れ込む人物描写が今ひとつな感じもするが、さすがに嘘に嘘を重ねていくうちに感づかれてしまう過程はスリリングに観ることができる。

ただ、こちらは副筋。よくあるドロドロの不倫ドラマにはない、偽装不倫というユニークな設定をいかに楽しめるかがポイントだったのだが、最後に一体どんな感動が待っているのか、まだまだ先は見えない。

P.S.

片思いで始まった灯里(あかり)さんの恋の行方も気になる?

今から観るには:「偽装不倫」

基本情報:日テレドラマ「偽装不倫」第6話