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TBSドラマ「凪のお暇(なぎのおいとま)」第4話 – 黒木華

前回・第3話で、凪(黒木華)と視聴者を異空間に導き入れてくれたこのドラマ。続く第4話は、その異空間104号室の住人であるゴン(中村倫也)との距離感に悩む回。

ハローワークで凪と出会い、仲良くなった坂本さん(市川実日子)が、凪とゴンがそういう関係になったことを知って、参考までにと、少女漫画をたくさん貸してくれる。

ただ、そんなオーソドックスな純愛ストーリーが二人の間に成立するものではなかった。

なにしろ、ゴンは異空間の人。
前回の結末で、エリィ(水谷果穂)が我聞慎二(高橋一生)に、ゴンのことを「メンヘラ製造機だ」と言う。

カッコいい。
優しい。
一緒に遊んでくれる。
否定しない。
怒らない。
ナチュラル。

そんな非の打ち所のない彼が、なぜメンヘラ製造機=女をダメにするのか。
ドラマ中盤でエリィが凪に教えてくれる、その言葉があまりにも説得力がある。

そうなのだ。

彼は誰にでも優しい。
誰にでも。

せっかく飛び込んだ104号室も、もしかすると凪の居場所ではなかった。

人生リセットして、このボロアパート「エレガンスパレス」に移り住んで、会社員だったころの、周囲の空気を読みすぎる癖から解放されたはずの彼女。
それなのに、解放してくれた立役者のひとりであるゴンの前で、またしても空気を読み始めてしまうのが、この第4話の最もせつない場面だった。

いっぽう、凪の気持ちを土足で踏みつけてきた元カレ・慎二は、次第に自分にとって凪が無くてはならない存在であったことに気づき始める。

そんな慎二と、凪の魂を奪ってしまったメンヘラ製造機・ゴンの対決。
そして、自分を見失ってしまった凪を目覚めさせようとする慎二。

見どころ満載の第4話は、次回の予告映像なしに、土砂降りの雨のなか、幕を閉じた。

P.S.

102号室に住む、うららちゃんの母親、吉田羊さんの役どころは、まだ掴めない。
どこかの時点で満を持しての大活躍があるのか、ちょっと期待。

今から観るには:「凪のお暇」

基本情報:TBSドラマ「凪のお暇(なぎのおいとま)」第4話