彼のために張り切って作ったお弁当を一人で食べるハメになった鐘子(しょうこ、=杏)に、もらい泣きしてしまう第4話。
まさか、こんなことになるには。
コメディタッチで描いてきたこのドラマも、シリアス要素が加わってきて、じわじわ面白くなってきた。
飛行機のなかで姉の指輪を落として、たまたま隣の席だった丈(宮沢氷魚)に、つい自分が既婚者だと言ってしまった鐘子。
その嘘を引きずったままの「偽装不倫」だが、「会いたい」と送ったら「おいで」と返してくれる優しい丈に本気で恋してしまった鐘子。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に描かれているジョバンニとカンパネルラに自分たちを重ね合わせて、岩手の花巻まで行って二人で銀河鉄道に乗ろう、という約束までするロマンチックな恋。
※愛する人と乗りに行ってみてください、SL銀河。
前回までは、親友の山田まさ子(田中道子)の言うとおり、「ごめんなさい、嘘ついてました。あなたが好きです。私たち不倫でもなんでもない」で済んだはずだった。
ところが今回、丈が「不倫」という選択肢を選んだ理由(わけ)が浮かび上がってくる。
姉、灯里(あかり、=MEGUMI)には「不倫はダメ」と言われながらも関係を続けてきた丈も、まったく罪悪感がないわけではなかったことがわかる。
それが今回のヤマ場である、東京駅のシーンから始まる流れ。
これはつらい。
物語は、せつない流れに。
いっぽう、ホントの不倫をしている姉、葉子(仲間由紀恵)が、完璧な夫、賢治(谷原章介)についている嘘に口裏を合わされている立場の鐘子もつらい。
やっぱ不倫って、嘘に嘘を重ねないと成立しない危ない橋なんだな、と痛感。
その橋も次回くらいで倒壊を始めそうな予感。
夫としては非の打ちどころがない相手だが、ときめきを感じない、という妻の心理がわからなくもないが、ダマされている賢治が不憫に思えてくる。
そして、その嘘に巻き込まれている鐘子が、葉子とぶっちゃけ話をするシーンから始まる最終シーンで、単なるじれったいだけだった偽装不倫が、せつない恋に移り変わっていく。
もう時間がないよ、鐘子。
偽装で始まったこの恋は、報われるのか?
来週の第5話へ。
P.S.
不倫工作に協力した妹に、ホントに1万円を渡すお姉さんって(笑)
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