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TBSドラマ「Heaven?〜ご苦楽レストラン〜」第3話 – 石原さとみ

「客が全く来ない」という大きな危機を第2話で乗り切ったかに見えたフレンチレストラン「ロワン・ディシー」に、次のハプニングが訪れる。
少し重めだった第2話に比べて、コースの「3皿目」としては、素材が重すぎず、ちょうどよい塩加減でラクに食することができた回だった。

今回のハプニングのひとつは、お客様から預かった傘が実はこの世に一つしかない大切なものだったのに、それを別のお客様に渡してしまったという事件。
もうひとつは、ホールでは唯一のフレンチ経験者である店の要、伊賀観(いが かん、=福士蒼汰)が故郷の母親に連れ戻される危機。

身勝手で自由奔放なオーナー、仮名子(石原さとみ)の片腕として、何でもソツなくこなす観だったが、実は母・勝代(財前直見)が仮名子と全く同じ、人を平気で振り回すタイプ。観にこの母がいたから、仮名子にも対応できるような人格形成がされた経緯がこと細かに描かれている。

ふたりの女性が、ひとりの男性を奪い合う話ではあるが、自分の元に留めておきたい理由が、愛情ではなく(愛情もあるとは思うが)「便利で、使える男だから」というところが面白さのポイント。屋形船と言う、2時間その場から逃げ出すことのできない空間で、圧の強い母親とオーナーが自分について身勝手な議論を闘わせる場に耐え続ける姿が、彼の宿命のようなものを絶妙に表現している。

けして譲らない二人のどちらが観を奪うのか?
そして無くなったお客様の大切な傘は戻ってくるのか?

意外な結末まで楽しく観ることができた第3話だった。

P.S.

ワインとシャンパン、お寿司と天ぷらが楽しめる屋形船のコース名が「富むクルーズ」。

今から観るには:「Heaven?〜ご苦楽レストラン〜」

基本情報:TBSドラマ「Heaven?〜ご苦楽レストラン〜」第3話