Drama View – テレビドラマのレビューサイト

フジテレビ「ルパンの娘」第2話〜深田恭子

ふだんは図書館に務める清楚な乙女・三雲華(深田恭子)が、泥棒コスチュームに着替えたときの変貌ぶりが、ますます冴えわたった第2話。
先週の第1話では、この泥棒一家の娘と警察一家の息子・桜庭和馬(瀬戸康史)の叶うことのない恋が、早くも大ピンチを迎えたところで終わった。

華の正体を知らない和馬が、父母と一緒に、ペットの元・警察犬ドンまで連れて、華の家に来てしまったのだ。

まさかのご両家・顔合わせ

前半の見どころは、泥棒一家“Lの一族”が、警察関係者の目の前で、その正体を誤魔化すことができるのか、というドキドキのシーン(実際はドキドキしないで笑って観ていたが)だった。

なにしろ和馬の父・桜庭典和(信太昌之)は警視庁のSAT隊長、 母・桜庭美佐子(マルシア)も眼光の鋭い鑑識官だ。
華の家に入るなり、玄関に置いた靴を調べたり「捜査」に余念がない。

それに加えて、華からの緊急連絡を受けて現れた父・三雲尊(渡部篤郎)、母・三雲悦子(小沢真珠)、祖母・三雲マツ(どんぐり)とも、「普段着」には着替えたものの、どう見ても真っ当な人たちには見えない。
おまけに、父が泥棒の立場を偽って名乗っている職業は「ハイパー・ソーシャル・クリエイター」という、何をしているんだか理解できない胡散臭い肩書き(高城剛さんに失礼?)。

泥棒であることがバレるかどうか以前に、お堅い警察関係者に受け入れられる家族とは思えない。

ところが、意外なところに父親同士の接点が見つかり(これも華の父のほうは、おそらく仕込みだろう)、最も手強いと思われていた和馬の父はあっさりクリアしてしまう。

だが、鑑識官の母親は、そうはいかなかった。
華の家族に、ただならぬ怪しさを嗅ぎ取っているのだ。

名物・ミュージカル

そもそも華は、いざ変身すると盗賊モードになるものの、自分の家族が泥棒であることを受け入れていない。
ただ、どんなに願っても和馬と結ばれるのは無理だと言うこともわかっている。

そこで相談する相手が、第1話で強烈なインパクトを残した、世界を旅する謎の泥棒、円城寺輝(大貫勇輔)だ。
初めて見た第1話ほどの驚きはなかったものの、ますますパワーアップして出演時間も長くなっている気がする。

この4月期にテレビ東京系で放送された「きのう何食べた?」のジルベールこと井上航(磯村勇斗)のような飛び道具的キャラクターだけに、毎週出演させずに忘れたころに現れたほうが効果的かも知れない。でも、たぶん来週も出てくるであろう。

悪いヤツを退治する

さて、後半の見どころは、先週に引き続いて、深田恭子が変身してからの鮮やかな身のこなしが楽しめる、ターゲットのアジトへの潜入シーン。

日本で「ルパン」と言えば、アルセーヌ・ルパンよりも「ルパン三世」を思い出すが、どちらのルパンも、困っている人から金品を奪うような極悪人ではない。
このドラマで描かれている泥棒一家“Lの一族”も、盗みを働く相手は、盗られても困らない大金持ち。そして大きなプロジェクトのターゲットにするのは、弱者を騙して金を巻き上げているような、懲らしめられるべき極悪非道の輩なのだ。

三雲一家のチームがお宝を奪おうとする相手は、警察からも捜査対象にされている犯罪者。
第1話ではヤクザとグルになっている宝石商だったが、今回は、表向きには介護事業で老人を大切にするイメージをアピールしながら、実はアポ電強盗の元締もしているという悪徳経営者だ。

捜査三課に勤めている和馬は父から、捜査一課に勤務できる立場になれば華との結婚を許す、と言われている。
それを知った華は、結婚自体は無理だと思いつつも、ついつい和馬の仕事にも協力してしまい、その流れで今回もこの悪者をやっつけるために、泥棒稼業に巻き込まれてしまうのだ。

そして、対極にあるはずの泥棒一家と警察一家が、結果的には同じ目的に向かって一致協力している構図になっているのが、このドラマの面白みのひとつでもある。

今回も、実は裏で“Lの一族”が動いていることを知らずに、和馬が警察官としての手柄を立ててしまう。

果たして和馬が捜査一課への栄転を勝ち取って、二人は結婚できるのか。
そりゃ無理でしょ、とは感じながらも第3話の展開が楽しみ。

P.S.

引きこもりの兄(栗原類)も、ますますパワーアップして、大活躍。

今から観るには:「ルパンの娘」

基本情報:フジテレビ「ルパンの娘」第2話