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日テレドラマ「偽装不倫」第2話

未婚なのに既婚者のふりをしたために好きな相手とつきあえない、という滑稽なシチュエーション。にもかからわず、杏が演じる独身32歳の鐘子のときめきがじわじわと伝わってきて、観ているほうまでドキドキしてしまう第2話。

偽装不倫

坊や、私は結婚してるの。
私がこないだ自分の結婚指輪を忘れて帰ったのは悪いけど、意地悪しないで返してちょうだい。
え、私の夫の写真が見たいって?わかったわ、これよ。
じゃあね、私はもう家に帰らなきゃいけないの。

…と、彼の家を去る鐘子。ところが、

ごめん、ホントは私は独身なのよ。
あなたには旅先で、ものの弾みで既婚者って言ってしまったのけど、引っ込みがつかない。
どうしよう、私。

…と、そういう話である。

しかも、鐘子(杏)も、丈(宮沢氷魚)も相思相愛。
二人の仲を阻むのは、鐘子がついてしまった「私は結婚しています」と言う嘘のみ。

それなら、

あはは、ごめんねー、実は私さ、見栄はって既婚者だよ、とか言ってしまったけど、実はひとりなの。
だから本気でつきあって!

…と、彼女が言えばいいだけの話である。

それでも、どうしても言えない鐘子に共感して、せつなくなり、妙にときめいてしまうのが、この作品の不思議な魅力だ。

これまで3年間さんざん婚活をしてきた。パーティで知り合った男性との食事のために、ちゃんとおめかしして出かけた。だけど、その人の顔を見ても何もときめかなかった。
そんな何もときめかない相手のために、サラダを取り分けている自分が気持ち悪くなった。

ところが、今この偽装不倫の相手と向き合っているこの瞬間のときめきは、どうしたことだ!
私は、この人が好きだ。

「結婚しています」という嘘をついたおかげで、もらった恋。
このため「独身です」と言ってしまって、婚活してきた時期の、必死さが丸出しの自分に戻るのが怖いのかも知れない。

ホントの不倫

そしていっぽう、鐘子の身近に、偽装ではない実際の不倫をしている既婚女性が出現する。

そちらの「不倫実行犯」は、自分の家庭もそのまま円満にキープしたい、そして不倫相手の坊やとの関係も保ちたいという欲張り三昧。なおかつ、不倫相手には自分が独身だと偽っている。

これらの、ピュアな恋のはずなのに嘘が生んだ障壁が邪魔をする状況と、許されないはずの恋なのにうまく立ち回っている状況の対比のおかげで、物語がさらに面白くなってきた。

P.S.

これって最終話まで、独身だよって言えないまま引っ張るんですかね…

今から観るには:「偽装不倫」

基本情報:日テレドラマ「偽装不倫」第2話