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読売テレビ「わたし旦那をシェアしてた」第2話〜小池栄子

「どうして 天谷恭平はシングルマザー専門のシェアハウスを運営しはじめたのか。この答を三日以内に出してちょうだい」

事実婚の夫・天谷恭平(平山浩行)が残した三億円の遺産を受け取る相手として誰がふさわしいか決めるための課題を、シェアハウスの管理人・染谷文江(夏木マリ)から出された、森下晴美(小池栄子)、小椋加奈子(りょう)、藤宮茜(岡本玲)。
三人が問題に頭を悩ませる中、晴美の前に元夫・室井正樹 (安井順平) が現れて——
というのが、第二話のあらすじ。

このドラマ、「わたし旦那をシェアしてた」というタイトルからして、昼ドラめいたドロドロの争いが展開されるのではという先入観を持っていたのだが、案外サッパリした内容になっている。
いや、サッパリしすぎだろう。一応、座る位置こそ三家族バラけてはいるが、なぜに同じリビングでくつろいでしまえるのか。
お互いが遺産を狙う敵同士、しかもひとりの夫をシェアしていた相手だ。本当なら顔も見たくないはず。普通ならそれぞれ部屋に引きこもってしまいそうなものだ。
もちろん、仲が良いわけではなく、口を開けば、嫌味の言いあいなどはしているが、これも軽いジャブの応酬といったノリで、コミカルな描き方がされている。彼女たちの距離感が、いまひとつ腑に落ちない。

だが、その部分に目をつむれば、面白い要素も多分にある。
恭平殺しの捜査では、過去の事件が絡んできたり、第二の殺人も起こったりと、サスペンス要素がどんどん増してきている。
また、今回は晴美の元夫(典型的なモラハラ紐夫だ)が現れたせいで、この女の敵そのものといった存在に対して、お互いが敵であるはずのシングルマザーたちが、結束してしまうのも見どころのひとつ。彼女たちが三人そろって、モラハラ夫を追い返す様子は、「痛快TV スカッとジャパン」を見ているかのような爽快さだった。

この結束が元で、課題の正解が導き出されることになるのだが、三人合同で出した答えということで、今回は勝者なしという判定が下される。
ただ、面白い部分も多いだけに、やっぱり惜しい、というのが正直な感想だ。

・シングルマザー三人の互いへの憎悪が欠落した心理描写
・課題の答が優等生なら誰でも正解できそうなマトモな綺麗ごとだったこと

この二点が物語の状況にいまひとつそぐわず、視聴後にモヤッとしたものが残ってしまった。

予告によれば、次回は恭平の四人目(まだいた!?)の妻が登場する様子。また、恭平殺害を指示した人物が、シングルマザーたちの中にいるのではとの疑惑もふくらんでいく模様。
十二分に面白そうな展開だし、もともとぶっとんだ設定の本作だ。今回感じたモヤモヤなんて、些細なことと思わせてくれる力業に期待したい。

今から観るには:「わたし旦那をシェアしてた」

基本情報:読売テレビ「わたし旦那をシェアしてた」第2話