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TBS日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」第1話〜大泉洋

TBSさん、また、池井戸潤ですか。
さすがにワンパターンで飽きましたよ、という気もしてくるが、大泉洋主演ということで、ちょっと興味がわく。

彼の武器でもあるコミカルな演技の引き出しがまるで使えそうもない、気合いの入った硬派な池井戸カラー全開の台本だが、本当に「これしかない」と言う役柄に仕上げてくるところは、さすがと言うほかない。

よく「体当たり演技」と言うが、まさに大泉洋の体当たり演技が観られる第1話。

題材は、ラグビー。

ラグビーワールドカップイヤーを飾るにふさわしい作品だが、サッカーに比べて人気がない、観客が入らない、などの問題提起や、ラグビーの知識が全くない視聴者によっての入門ネタもある。

そして、実際にラグビー日本代表だった廣瀬俊朗が、チームのエース役で出演しているのも意義深い。

半年前から放送しているNHK大河ドラマの「いだてん」も、2020年の東京五輪に合わせて企画されたものだ。
低視聴率だとネットの記事で叩かれている(何もあんなに叩かなくてもいいのに)のをよく見るが、ちょうど今日1時間前のオンエアで、日本女子初のオリンピックメダリストである人見絹枝の感動のエピソードが紹介された。
数字は取れないかもしれないが、間違いなくドラマ史に残るドラマである。

さて、そのあとに始まったこの作品、「下町ロケット」や「ルーズベルト・ゲーム」を観た人にとっては、どこかで見た登場人物と、どこかで見た大会議室が映るが、それも愛嬌。

この枠は、寅さんやサザエさんだと思って観ればよいのだ。

大泉洋が扮するのが、大手自動車会社の経営戦略室にいたエリート社員・君嶋隼人。
常務の滝川桂一郎(上川隆也)が進めていた企業買収に反対したことがきっかけで、府中にある工場に左遷され、なぜか会社のラグビー部「アストロズ」のゼネラルマネージャーを任される。

この時点で、最終回までの流れも予想できてしまう。

経費ばかりかかって会社のお荷物になっているラグビー部を、持ち前の経営戦略スキルを駆使して再生させ、優勝に導く。

おそらく、そういう物語だろう。

これから日曜夜の合計10時間を使って、このベタなサクセスストーリーを観ることが、あなたの人生の経営戦略上、よいことなのかは、わからない。

でも、つい観ちゃうんだろうな。TBSの人もわかってやっているのだろう。

第1話ラストの、ラグビー部員たちを鼓舞する大泉洋の迫真の演技は、胸を打つ。

P.S.

エンディングテーマが、米津玄師の楽曲ということで、ちょっと驚く。
そして曲名が「馬と鹿」…えっ?
歌詞を見てみたくなる。

今から観るには「ノーサイド・ゲーム」

基本情報:TBS日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」第1話