えっ、それ聞いちゃいます?

主人公・東山結衣(吉高由里子)との婚約が決まっている諏訪巧(中丸雄一)が、元婚約者・種田晃太郎(向井理)に向かって放った「さすがにまだ結衣ちゃんのこと、好きだなんてありえないですよね?」に、揺さぶられた回であった。

なにしろ種田は前回、取引先のセクハラ問題を鮮やかに解決して、大きく株を上げた存在。

結衣は、既に婚約して新居まで決まっているのだが、視聴者的には「もしかしたら」と感じてしまうような流れだった。そこで、まさかの現在の婚約者が「それ」を口にし、一気に波風が立ち始める。

これまでの全5話は、吉高由里子が演じる定時の女・東山結衣が、働き方の問題を抱えた同僚と対峙し、最後にはまあ「めでたし」となる心温まるエピソードが続いてきた。その彼ら・彼女らが、話数を重ねるたびに職場に溶け込んで、それぞれの存在意義を発揮しているのを微笑ましく見ることもできる。

とくに今回は、第3話で会社を辞める寸前まで行った新人の来栖くん(泉澤祐希)が、美容室のウェブサイト制作案件に自ら立候補して、初めてディレクターを担当することになり、目が輝いている。

そんな話の運びのなかで、この第6話では、満を持して大物級の種田がクローズアップされる。

主人公の元婚約者。
定時で帰らない男ではあるが、涼しい顔をしてスマートに仕事を片付ける、非の打ちどころがない職場のエースだ。
そのデキる男が、元同僚に誘われて独立するという噂が立ち込めている。

そんな完璧な男として描かれてきた彼が抱える、大きな「問題」が浮かび上がる。
完璧な男であるがゆえに、完璧でない人に寛容でいられず、つい強く当たってしまうのだ。

そんな種田に真摯な態度で対峙するのが、過去につらい別れ方をしたものの、今の職場で多くの助けをもらっている結衣であることが、ちょっとせつない。

そして、これまで「愁」というニックネームで、スマホ経由で結衣に「情報提供」をしてきた謎の男の子の正体が明らかになる。これも、まさかの展開。

ドラマ後半戦の、大きなうねりが始まった第6話だった。

P.S.

引っ越し作業で髪をアップした吉高由里子が、なかなかステキ。

今から観るには:「わたし、定時で帰ります」

基本情報:TBSドラマ「わたし、定時で帰ります」第6話

  • チャンネル: TBS系
  • 放送日時: 2019年5月21日(火)22:00〜22:57
  • 出演: 吉高由里子 向井理 中丸雄一 桜田通 柄本時生 泉澤祐希 シシド・カフカ 内田有紀 ユースケ・サンタマリア 梶原善 江口のりこ
  • 番組公式サイト: トップイントロダクションあらすじ相関図
  • 番組公式ツイート: Twitter@watashi_teiji