TBSドラマ「わたし、定時で帰ります」第４話 – 吉高由里子 | Drama View

10連休明け初日の第４話で、定時の女・結衣（吉高由里子）が対峙するのは、ＩＴ業界にたまに生息している（会社によっては、かなり生息している）「会社に住んでいる男」だ。

結衣の同僚のWebエンジニア・吾妻徹（柄本時生）は、高いスキルを持っているが、深夜勤務が慢性化しており、何しろ家に帰らない。
しかも、タイムカードに記録しないサービス残業を好き好んでやっている。

このドラマのよいところは、そういう人物を真っ向から否定することではなく、その人の立場や気持ちにもスポットを当てているところだ。

物語の運びは、結衣がそんな吾妻を何とか説得して、残業癖を辞めさせるのではなかった。
まず、いきなり彼が「改心」してしまうことから始まる。

新規プロジェクトのヘルプで参加した派遣デザイナー桜宮さん（清水くるみ）が、彼の過去の作品の技術を褒めたことがきっかけで、吾妻がときめいてしまうのだ。
これまでは、深夜残業デフォルトだった彼が、桜宮が帰るのを見ると、PCを閉じて彼女を追いかける、あまりにもわかりやすい行動が、ちょっと笑える。

会社しか居場所のなかった男が、会社以外の喜びを見つけるのだ。

結衣には結婚間近の彼氏もいて、終業後にビールを飲む行きつけの店もあって、オフの時間に多くの喜びがある。
ただ、世の中には、家に帰っても何も面白くない、仕事以外の人生に喜びを見出せない吾妻みたいな人もいる。
結衣は、吾妻との会話のなかで、それに気づく。

このドラマの救いは、そんな吾妻が、ある「店」を、もう一度訪れるシーン。
涙は出ずとも、ちょっとホロリと来た瞬間だった。

そして実は、結衣の元カレで現在の上司である種田（向井理）も、吾妻と見た目の印象は違えど同じ穴のムジナであることがわかり、ドラマは静かな結末へ。

と思いきや、種田と結衣は、まさかのショッキングなシーンを目撃してしまう。
第５話が楽しみだ。

P.S.

仕事漬けの吾妻くん、実は着ているシャツが結構おしゃれだったりする。