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日テレドラマ「あなたの番です」#04

「もしかして、殺してもらった人が、殺すって順番になってるんじゃないかと思って」

相次いで起こった三件の死亡事件。
これまでの死亡者の状況を整理した主人公・手塚菜奈(原田知世)は、相次ぐ死亡事件のルールに気づく。

元はマンションの住民会で、行った交換殺人ゲーム。
自分の殺したい人を各自が紙に書いて箱に投じた後、その紙を一枚ずつひきあう。
みんな誰かひとりくらい殺したい人がいるはず、その相手を覗き見てみようという悪趣味な遊びだ。
けれどその紙に書かれたうち三人が、死亡。

紙に書かれた誰かが殺されれば、次は殺された被害者を書いて投じた人が、自分のひいた紙に書かれた人を殺さなければならない。
それが、ゲームのルールになっているのではないか。

最初はただの偶然だと思っていた住民たちも、紙に書かれた三人目が死ぬに及んで、菜奈と同様の考えになっていく。
そしてこのとき、すでに『あなたの番です』という強迫を、シンイー(金澤美穂)がうけとっていて——。

というところから始める第4話。

今回印象的だったのは、菜奈とのラブラブシーンばかりが目立っていた手塚翔太(田中圭)が、物語に大きく関わり始めたことだろう。
そもそも、翔太は交換殺人ゲームの件を、菜奈から知らされていないままだった。
だが、尾野幹葉(奈緒)から、ゲームのことを知らされ、なぜ菜奈は自分に隠していたのかと疑いを持ち始める。

これまで、ただミステリー好きとしての興味本位から、事件の雑誌記事などを読んでいた翔太だったが、ここではじめて一連の事件が他人事ではなくなったのだ。
とはいえ、菜奈に疑いを持ち、事件を気にかけはじめても、そこは翔太。
菜奈への熱愛が、冷める様子など微塵も感じられない。

思い悩んだ翔太は職場(彼はジムでトレーナーをしている)で、親しくなった客の細川朝男(野間口徹)に相談する。
……のだが、そのとき細川に、殺したい相手として翔太の名前を紙に書いたから言えなかったのではないか、他に男がいるんだろうと言われ、返した言葉が

「俺、奥さんと超愛しあってるんですよ!」

文字で書くとさらっとした印象だが、この「超」の部分にヤバいくらいの熱がこもっている。
そう否定した上でさらに

「でも、万が一、万が、0.1……」
「菜奈ちゃんが俺の名前書いてたとして、それが本当に菜奈ちゃんが望むことなら、俺死んでもいいですよ」

きっぱり言い切ってしまう。どんだけ好きなんだ翔太。
しかも菜奈が罪悪感を抱かないよう事故のフリして死ぬとまで付け加える。アフターケアまで万全の愛情だ。

交換殺人ゲームという血生臭い物語の本筋に関わりだして尚、このブレなさはある意味凄い。
だが、翔太がどこまでこのままブレずにいられるか。
ここは、今後の見どころのひとつだろうと思う。普通なら、このままラブラブではいられなくなるはずだ。

なぜなら、その後の場面で翔太の相談相手・細川が、菜奈の夫であることが発覚するシーンがあったからだ。
手塚夫妻、菜奈が婚姻届を出し渋っているせいで、まだ事実婚の状態。交換殺人ゲームの件を黙っていたことに加え、翔太は二つも大きな隠し事を菜奈にされていたことになる。
細川の件は、まだ翔太は知らないが、知ったときに彼はどうなってしまうのか。

そこを気にしている間に、「毎回、死にます」のキャッチコピー通り、今回も新たな死亡者が出る。

しかも、いままでの被害者はマンション住民と関わりこそあれ、外部の人間だったが、今回はついに住民から死者が出る。
マンション内の一室で、とある住民が殺されていて——というところで次回へとなるのだが、この次回予告がまた気になる内容。
思いつめた顔の翔太が、凶器になりそうなダンベル片手に細川のほうへ向かっていくカットが入っているのだ。
一連の事件の顛末はもちろん気にかかるが、翔太の行く末にも注目していきたい。

今から観るには:『あなたの番です』

基本情報:日テレドラマ『あなたの番です』#04