女装した長身の家政夫・三田園薫に扮する松岡昌宏の毒のある演技が光った第2話。

今回の派遣先は「100年に一度の美人すぎるキャリアウーマン姉妹」として、もてはやされている「ミツワハム」の経営者姉妹のお屋敷。家政婦を雇うことができるような家ほど、潜入してみると実は闇を抱えている、というのは、このドラマのルーツとなった市原悦子主演の「家政婦は見た!」と共通するものである。

まず、その三ツ輪姉妹の姉でミツワハム社長の三ツ輪公子(青山倫子)と、神山総合物産の御曹司である神山章一(桐山漣)の、シンデレラ姫を思わせるような、ドラマチックな出逢いから始まる。

若き経営者同士の恋のストーリーかと思いきや、三田園が潜入した三ツ輪家は、その華やかな外面(そとづら)とは真逆の、ドロドロな状況であった。そして、姉・三ツ輪公子が御曹司を射止めようとしている動機も不純。

そんな状況でも、家政夫である三田園は、公子の「恋」をサポートする。
公子が家庭的で料理が得意であることを神山に見せるために、公子の背後に隠れた三田園が料理をする「エプロン二人羽織」のシーンがドラマ中盤の笑いどころ。

このあと、ミツワハム姉妹の女同士のエゴのぶつかり合いの醜さと、その反面、女同士の意思統一ができたときのチームワークの威力が発揮される展開を面白く観ることができる。

最終シーンに至るまでの過程に、何度か意外な展開が仕込まれており、かなり楽しめた。

テレ朝は「科捜研の女」「相棒」などの警察を舞台したドラマで、多くの「定番商品」を生み出しているが、警察官が主役である以上、どうしても笑いの要素はない、真面目なつくりになってしまう。そして、扱うのは殺人事件で、時には痛ましい映像を見せられる。

その反面、この「ミタゾノ」では、死体を見ることはない。松岡昌宏の怪演に大笑いしながら、潜入した家庭にある膿を大胆な手法で鮮やかに炙り出し、正しい道に導く過程を、実に楽しく観ることができる。

笑えるミステリードラマ、という独自の世界観を確立したこの作品、1話完結型なので、この第2話からでも、次週の第3話からでも、どこから観てもOKである。

P.S.

最近は「3年A組」や「いだてん」にも出演するなど、大活躍の川栄李奈。
第1話では三田園の強烈なキャラクターに迫力負けしていた感のある彼女だったが、徐々にこのドラマの中でも頭角を現わし始めた。ストーリー前半では、元AKBであることのネタ振りが台本に盛り込まれるなど、イジられ役もこなしている。

基本情報:テレ朝金曜ナイトドラマ「家政夫のミタゾノ」第2話 - 松岡昌宏 主演

  • タイトル:家政夫のミタゾノ
  • チャンネル:テレビ朝日系列
  • 番組公式サイト:トップ あらすじ キャスト スタッフ
  • 番組公式ツイート: Twitter@mitazono_desu
  • 放送日時(第2話):2019年4月26日(金)23:15〜24:15
  • 出演:松岡昌宏 伊野尾慧 川栄李奈 平田敦子 しゅはまはるみ 余貴美子
  • 第2話ゲスト:青山倫子(三ツ輪姉妹の姉・ミツワハム社長、三ツ輪公子) 知花くらら(妹、三ツ輪沙織) 水島麻理奈(三ツ輪姉妹の秘書、佳乃) 桐山漣(神山総合物産の御曹司、神山章一)