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日テレドラマ「あなたの番です」#01

「あなたにAという殺したい人がいるとして、Aとの交友関係さえなければ 殺しても捕まる可能性はゼロに近づくということです」
「以上は、あくまで理論上のお話」
「まさかそれを実践してしまう人たちがいるなんて」

どこか「世にも奇妙な物語」のタモリを思わせる、竹中直人のミステリアスな語りで始まる本作。だが、語りが終われば、一転明るいムードに。
主人公・手塚菜奈(原田知世)、手塚翔太(田中圭)夫妻が、物語の舞台となるマンションに引っ越してくる様子が、描かれる。
二人はラブラブ甘々、迎えいれる住民たちもにこやかで、幸せな新生活が始まりそうな気配。だが、住民会で、とあるゲームが行われたことで、マンション内には不穏な気配が漂いはじめ——。

というのが、物語の流れだが、ラストでいきなり、ある人物が死亡。それが誰だかは、あえて書かないが、メタ的に考えて、ありえない人物。え、そこから殺る!? と素でつぶやいてしまった。

このドラマ、主人公たち以外にも、登場人物がとにかく多い。
通常、ミステリー系のドラマなら、ラテ欄のキャスティングで犯人当てが出来たりしがちなものだが、本作はそうはいかない。なにせ二時間サスペンスに例えるなら、冒頭5分で死にそうな役者さんも、岬で罪を告白しそうな役者さんも、渋滞気味。まさに誰が死んでも、誰が犯人でもおかしくない。

第一の死亡者も、そういう意味では死んで不思議はないのだが、構成上のトラップに目をくらまされていた。アレやってる人が死ぬとか、普通ちょっと思わない。ズルいなあ、いい意味で。

「毎週、死にます」がキャッチコピーになっているし、単純に考えれば、毎回誰かが殺され、誰かがその犯人になっていくわけだが、それ以外の展開は全く予測不能で、興味をかきたてられる。
主人公ふたりの甘々ぶりにあてられながら(いい加減にしろー! とツッコミつつ)、事件の流れを見守っていきたい。

今から観るには:『あなたの番です』

基本情報:日テレドラマ『あなたの番です』#01