Drama View – テレビドラマのレビューサイト

NHK連続テレビ小説「まんぷく」第10週「私は武士の娘の娘!」〜安藤サクラ・長谷川博己

立花萬平(長谷川博己)を含む「たちばな塩業」の社員全員と、途中から世良(桐谷健太)までもが牢屋に閉じ込められたまま過ごす週だった。

先週土曜日、健康食品「ダネイホン」の事業が軌道に乗り始めてハッピーな形で終わろうとしていた最終シーンで、ヘルメットにMPと書かれた進駐軍が、たちばな塩業に乱入する。

世良の紹介で手に入れた旧日本軍の倉庫を改造したのが、たちばな塩業の社屋だった。
ところがそこに軍の手榴弾が残っており、従業員の3名がそれを海に投げて魚を採っていた。これが進駐軍に対する叛逆の訓練だ、と見なされてしまったのである。

萬平モデルになった安藤百福がGHQに逮捕されたことがある、というのは史実のようである。

ただ、ドラマ視聴者としては、同じようなストーリーを既に体験ずみである。

萬平が、軍事物資を横流しをしたという疑義をかけられて憲兵隊の拷問を受ける、第2週の最終話から第3週にかけてだ。
そのときは、福子や周囲の人々の協力を得て助かった。

今回も、どちらにしても萬平たちは土曜日の回までには釈放されるだろうという予想が当然ついてしまう。
以前は憲兵、今回は米兵という違いもあるが、そういう意味で少し新鮮味に欠けた週でもあった。

萬平の妻・福子(安藤サクラ)が英会話ができたのが進駐軍との折衝に少なからず役立ったことや、大部屋に閉じこめられて社員たちの絆が深まった、という「収穫」も確かにあった。

しかしながらドラマとしての「踊り場感」は否めない。何かもう一つ、この週ならではの新たな切り口の展開があったほうがよかった気もする。

P.S.
片岡愛之助、驚きの姿で久しぶりの登場。
芸能人の事務所によっては「この衣装はちょっと彼のイメージが…」と言って断る場合もありそうな風貌で登場する。さすが、昆虫の格好をしてEテレに出ている香川照之と同じ歌舞伎界の重鎮だ。

今から観るには:『まんぷく』

基本情報:NHK連続テレビ小説『まんぷく』第10週「私は武士の娘の娘!」