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日テレ土曜ドラマ「ドロ刑 -警視庁捜査三課-」 第9話・中島健人・遠藤憲一主演

2018年秋の週末が楽しみだったこのドラマも、いよいよ次週の第10話が最終回。
この第9話は、そのクライマックスに向けての壮大な仕込みの回となった。

これまでドラマの基本設定は、新米刑事・斑目勉(まだらめつとむ、=中島健人)が、伝説の大泥棒・煙鴉(けむりがらす、=遠藤憲一)の「指導」を受けながら、一流のドロ刑(泥棒専門の刑事)に成長していく物語だった。

もう8話も観てきたので、視聴者心理としても、犯罪者であるとは言え、煙鴉に対するただならぬ愛着を覚えている。
ドラマの中の斑目もそうだった。

ところが、この第9話から、その前提が完全に覆されてしまった。

煙鴉は斑目に「これまでオマエを利用していただけだ」と告げて、警察への全面戦争を仕掛けてくる。

班目は、にわかにそれが信じられない。
視聴者的にも、彼が極悪人だなんて信じたくない。

ところが、煙鴉が班目に銃口を向けたり、実際に盗みを働くシーンが映し出され、彼が本気であることを思い知らされる。
第3話の金庫破りや、第4話の集団スリのテクニックを「復習」するシーンもあって、これまでずっと観てきた者としては、なつかしく感じるが、彼本人によるプロの技は鮮やかであるとしか言いようがない。

キーワードは「虹」だ。

RAINBOWと言う英単語は、虹の7色と同じ、7文字ある。
イニシャルにその文字を持つ7人のターゲットが次々に煙鴉の餌食になっているようだ。
すでに3人が狙われた。あと4人残っている。

そして、5年前の妹の自殺に煙鴉が絡んでいると疑って、これまで煙鴉を追い続けてきた皇子山(中村倫也)も、いよいよ本気モードになってきた。

さらに、これまで比較的お気楽な人格だった13係の係長、鯨岡(稲森いずみ)も、実は煙鴉との間に因縁があり、彼の逮捕にただならぬ強い執念を持っていることがわかる。

このように連立方程式の変数が増えて複雑化してきたなかで、第9話が終了。

ショッキングが最終回の予告動画が流れる。

その映像のなかに、まだちょっと班目と煙鴉の間の絆がありそうなセリフが少し流れて、次週に続く。

P.S.
まさかの「科捜研の女」による「私、失敗しかしないから」発言。

今から観るには:「ドロ刑 -警視庁捜査三課-」

基本情報:日テレ土曜ドラマ「ドロ刑 -警視庁捜査三課-」 第9話・中島健人・遠藤憲一主演