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TBS金曜ドラマ「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」第9話 – 戸田恵梨香・ムロツヨシ主演

いよいよ、あと2話を残すばかり。

この第8話になって、2014年、2015年、2016年と、カレンダーの進み方が急に早くなる。

真司(ムロツヨシ)の作家としての地位が高まっていく。
そして、夫婦は念願の子宝にも恵まれ、幸せな家庭生活を送っている。
その反面、彼女のアルツハイマー病も容赦なく進行していくのだ。
この、ずんずんと時が進んでいく様は残酷ですらある。

そもそも真司が作家として復活できたのは、尚(戸田恵梨香)のことを書いたからだった。
再会できたのも、この50万部ものヒット作「脳みそとアップルパイ」を尚が手にしたからだった。

この復活作では、尚は真司の元を離れ、医師、つまり元々の婚約者であった侑市(松岡昌宏)と結ばれる結末となっていた。

その続編となった新聞小説「もう一度第一章から」では、小説家である自分と尚が結ばれた事実に立ち戻って、若年性アルツハイマーにかかった妻との人生をテーマに執筆することになる。

編集者である水野明美(木南晴夏)が、家に出入りして身の回りの世話などをし始めることになり、尚は病気が進行して自分が役立たずで周囲に負担をかけていることを気にするようになる。

そして、真司に創作意欲を失わせたくない水野の「奥様は生きているだけで先生の創作の源なんです」という不用意な言葉で、自分が真司の妻というよりも、小説の題材になっているだけだ、という意識に悩まされることになる。

もともとは、真司の処女作である「砂にまみれたアンジェリカ」を暗記するほど真司の作家としての才能に惚れ込んだ尚だったが、それにしてもこれは残酷だ。

虚ろで、血の気のない表情になってしまった、戸田恵梨香の演技に、胸が締めつけられる。

さて、さらにカレンダーは3年後の2019年に。

子供は大きくなっていた。

ただドラマは、観ている私たちをそこには留めてくれなかった。
またしても非連続な展開をみせ、次週の最終話へと繋がる。

きっと悲しい結末なのだろうが、そこに愛があるに違いないことを期待する。

P.S.
まさかとは思ったが、意外なもう一組のカップルが生まれる。

今から観るには:「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」

基本情報:「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」第9話 – 戸田恵梨香・ムロツヨシ主演