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TBS金曜ドラマ「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」第8話 – 戸田恵梨香・ムロツヨシ主演

ムロツヨシ本人による、小説の朗読をするような語りもこのドラマの魅力のひとつ。
今回は、冒頭部分で「あの男は危険だと、妻に強く言っておくべきだった」という語りが入る。

「あの男」とは、尚(戸田恵梨香)と同じ若年性アルツハイマー病にかかっている、松尾公平(小池徹平)だ。

前回・第7話の結末のシーンで、彼がとんでもないことをしたことがわかる。

最初は同じ病気を持つ尚に好意を抱いているだけのようにも見えたが、暴力的な性格も持ち合わせている。
そして今回は、完全にストーカーモードに突入する。そして、彼女を「ナオ」と呼び捨てにするようにもなっている。

これはまずい。

不敵な笑みを浮かべるこの男に尚が何をされてしまうのか、恐怖の中で観る第8話だった。

真司(ムロツヨシ)から最初に「子供をつくろう」と提案されたときは、記憶が消えていってしまうのに母親になることに抵抗を感じていた尚だが、いろいろ悩んだ末、生むことを決意する。

いっぽう、冷蔵庫にも壁にも、たくさんのメモが貼ってあり、こういう病気と付き合うためのリアルを感じつつも、残念ながら症状が徐々に進行しているらしいことがわかる。

そして、家族にこのような患者がいた場合、実際に家庭内で起こりうるであろう問題も露呈してくる。

まず、当然であるが「言った言わない」問題が起こる。
もうひとつは「頼りにされていない」問題だ。

前者は、真司が、新しい小説のタイトルは最初に尚に伝えると約束していたのに、編集者の水野明美(木南晴夏)に伝えているのを立ち聞きしてしまったこと。

ただ、実際は尚のほうが先だった。自分が聞いたこと自体を忘れてしまっていたのだ。

後者は、取材中にスマホを自宅に忘れたことに真司が気づき、明美が家に取りに帰るシーン。尚は、女性編集者が家に上がりこんでいたことを知ってショックを受ける。

実際は真司が尚を頼りにしなかったのでなく、明美が「奥さんに何かあったら社の責任にもなるので」と告げて、取材が立て込んでいる真司に代わって自宅に行っただけだった。

そこに付け入ったのが、ストーカー男、公平だ。
彼は、自分と尚のことを「僕たち」と呼び、自分の世界に引き込もうとする。

そして、ついに決定的な事件が起きてしまう。

公平の誘いに乗って、尚は「あっちの世界」に行ってしまうのか、ハラハラドキドキの終盤。
「大恋愛」というタイトルにふさわしい、戸田恵梨香、ムロツヨシ、小池徹平3人の迫真の演技をお見逃しなく。

P.S.
もうひとつの意外なカップルの「恋」も進展しています。

今から観るには:「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」

基本情報:「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」第8話 – 戸田恵梨香・ムロツヨシ主演